スタディポケットは、同社が提供する教育支援AIプラットフォーム「スタディポケット for TEACHER」のライセンス利用料を、2026年度(2026年4月1日〜)の契約以降、全国の学校教育機関に対して期限の定めなく無償化することを12月11日に発表した。

「スタディポケット for TEACHER」は、学校現場での校務・教務の効率化に特化した生成AIサービス。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC 27001:2022」認証を取得した運営体制のもと、日本国内サーバーでデータを管理し、文部科学省の各種ガイドライン(初等中等教育段階の生成AIガイドラインなど)に準拠したセキュアな環境で利用できる。
今回発表された無償化は、2年以上にわたる開発・運用の中で培った技術的知見と、継続的な企業努力によるコストダウンによって実現しているという。AI基盤モデルの効率的な活用、システムアーキテクチャの最適化、スケールメリットの活用によって、品質を維持しつつコスト構造を抜本的に見直せるようになった。
学校の現場では、教員の長時間労働が依然として深刻な課題となり、教員の多くが授業準備や校務文書作成に多くの時間を費やしている。生成AIを活用することで、これらの業務が効率化でき、教員が「子どもに向き合う時間」をより多く確保できるようになる。
しかしながら、予算の制約から生成AIツールの導入に踏み切れない学校も少なくない。そこで同社は、「コストが理由で生成AIを使えない」という状況をなくしたいとの思いから、今回のライセンス無償化を決定したという。
無償化されるサービスは、「スタディポケット for TEACHER」(教員向けライセンス)となる。利用対象は、全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校などで、2026年度(2026年4月1日)から無償化される。
以下のような人的・個別要件は、今後も個別見積もりでの対応となるが、無償ライセンスのみの利用も可能となっている。
- 校内研修・教員向け講座の実施
- 電話サポートなど、生成AIに関する個別サポート
- 基本的なライセンス発行/初期セットアップ方法の案内にかかる業務を超えた、導入時の人的支援
- 各自治体・学校の方針に応じた「生成AI活用ガイドライン」や校内ルールの策定支援
児童生徒向けサービスの「スタディポケット for STUDENT」「スタディポケット AI英会話」や、特別なリクエストに基づく校務向け拡張プランなどは、今回の無償化には含まれない。さらに、今回の無償化は現行サービスのライセンス利用料を期限の定めなく無償とするものとなっている。同社では将来的に、より高度なAIエージェント機能を備えた別プランを新たに提供する可能性がある。
なお、「スタディポケット for TEACHER」の主な機能としては、入力された指示文(プロンプト)から6〜15ページのスライドを自動生成できる「AIスライド(マジックスライド)」がある。
「画像生成Pro」では、学校現場でよく求められるイラスト・図解・教材素材の生成を、簡単かつ高品質に実現する。
「プロンプトジェネレーター」は、教員が実現したいことを入力するだけで、自身の好きな「オリジナルAI」を簡単に作成できる。さらに、作成したAIテンプレートは、校内の職員間で共有可能となっている。
「校内AI利用状況分析」は、校内の教員たちがどの程度AIを活用しているかを可視化できるダッシュボード機能となる。
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