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AI教材のatama plusと立命館が連携し、新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会を設立

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2020/12/23 17:00

 atama plusと学校法人立命館は12月22日、AIや学習データ等を活用した高大接続、入試企画の検討に関わる連携協定を締結した。今回の連携により、新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会を立ち上げ、2021年1月から、立命館大学に進学する附属校生を対象にAI先生「atama+(アタマプラス)」を活用した大学入学前基礎学力定着の実践研究を開始する。また、2021年4月より学習歴を踏まえた新たな入試企画やオンライン入試プラットフォームの開発検討に取り組んでいく。

学校法人立命館 理事長 森島朋三氏(左)、atama plus株式会社 代表取締役 稲田大輔氏(右)
学校法人立命館 理事長 森島朋三氏(左)、atama plus株式会社 代表取締役 稲田大輔氏(右)

 atama plusは基礎学力習得の時間を短縮し、そこから創出された時間で子どもたちが「社会でいきる力」を伸ばすことができるよう、個別最適化学習を実現する教材「atama+」を開発・提供。現在、全国の塾や予備校、約2000教室に導入されている。

一人ひとりのつまずきの根本原因を特定し、最適化された「自分専用カリキュラム」で学習することにより、効率的に基礎学力を習得できる
一人ひとりのつまずきの根本原因を特定し、最適化された「自分専用カリキュラム」で学習することにより、効率的に基礎学力を習得できる

 立命館は2つの大学、4つの中学・高校、1つの小学校を運営し、約5万人の児童・生徒・学生を擁する総合学園として、それぞれの学校が連携しながらユニークなバックグラウンドや考え方、高い問題意識や能力を持つ人材の育成を行ってきた。その実現のため、これまでもICT導入やAIの活用検討を積極的に進めてきたが、一方で次のような課題も抱えていたという。

 1つは附属高校における、教科学習を通じた基礎学力と探究型学習等を通じた社会でいきる力、その2つの養成を両立するための時間的制約である。また立命館大学としては、高校で培った意欲や力を評価していきたいものの、総合型選抜や学校推薦型選抜における入学者の基礎学力に課題があった。現行の学内推薦入試では調査書における全科目の評定平均値を主な評価軸としており、特に理系学部では、学部・学科ごとに入学後特に求められる基礎学力との接続が必ずしもできていなかった。

 さらに、現在の一般入試制度では試験当日の対象科目の点数のみで評価することが多いものの、大学側は入学後に必要となる学力を十分に測れておらず、生徒は高校での探究学習等の成果を十分に生かすことができないなどの課題も存在している。そしてコロナ禍により、試験当日会場に集合して行う従来の筆記試験は大きなリスクにもなり得る。

 atama plusと立命館は、AIや学習データなどのテクノロジーを活用することでこれらの課題に対応し、生徒が持つ可能性を広げ、やりたいことや得意分野に基づいて進学先の大学・学部を選択し学習する未来を創るべく、本共同研究会を立ち上げるに至った。

 具体的には以下3つのテーマに取り組んでいく。

【1】附属校生の学内推薦合格後の基礎学力定着モデル構築

 立命館守山高校では、学内推薦で立命館大学理系学部および経済学部への進学が決定した3年生を対象に、以前から学内補習を実施してきた。

 今回、さらなる基礎学力向上に向けて、2021年1月より「atama+」を活用した入学前教育モデルを構築していく。具体的には、AIによる診断で自分が習得している範囲を確認して苦手の根本原因を発見、「atama+」での学習により個々のペースで基礎学力の習得を目指す。

 なお、2021年9月をめどに対象の学生が大学の授業についていけているかをヒアリング等で検証する予定。それをもとに、次年度の入学前教育や授業改善につなげていく。

【2】学習歴を踏まえた新たな入試規格の研究

 附属校の学内推薦入試を、現状の調査書における全科目の評定平均値を1つの基準とするだけでなく、探究型学習等により培った力と各学部が求める基礎学力の定着について、単元や分野でも設定・評価できる新たな入試に転換していく。

 それに向けて、2022年度入試(現高校2年生対象)以降の学内推薦入試での適用をめどに、調査書の全科目の評定平均値だけでなく、各生徒の理系科目の分野別習得状況などを加えて合否を決める入試の仕組みの研究を行う。

 2021年度(現高校2年生が高校3年生になる年度)より、立命館守山高校内で「atama+」の授業内活用を開始し、入試の参考情報となる分野別習得状況を可視化する。それと同時に生徒の基礎学力を高め、【1】のテーマとも連携させていく。

【3】オンライン入試のプラットフォームの開発

 すべての生徒に公平平等な入学の機会を提供するため、オンライン入試の可能性を検討する。

 atama plusが実施したオンライン模試の経験等を踏まえ、実際の一般選抜で利用する場合の課題等を明確化し、オンライン入試の新しいプラットフォームの開発を行っていく。限りなく移動や集合形態を前提としない形で受験できるように追求し、2年程度のレンジでの検討を想定している。

【1】を短期課題、【2】【3】を中期課題として研究を進めていく
【1】を短期課題、【2】【3】を中期課題として研究を進めていく

 atama plusの代表取締役である稲田大輔氏は「今回の取り組みがきっかけとなり、ほかの大学、ひいては日本の教育全体に影響を与えることができれば」とコメントした。

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