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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み

社会が大きく変化する中、学校の役割はどうなる? オンラインで実現した生徒主体・社会とつながる学びの実践

新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み 第8回

 2020年度からオンライン授業の環境を整え、4月の当初から授業を行ってきた、新渡戸文化学園(新渡戸文化小中学校・高等学校)。本連載ではその実践をお伝えします。最終回となる今回は、オンラインだからこそ実現した遠隔からのライブ授業や学校外と連携する生徒主体の取り組みを紹介します。そして、社会が大きく変化する今、新渡戸文化学園が目指す教育について改めてお伝えします。

変化し続ける社会の中で、学校は何ができるか

 社会は2000年代から大きく変化しています。経済も大量生産、大量消費、大量廃棄という作って捨てる「直線型」経済から、持続可能な社会に向けて使い続ける「循環型」経済へと変化しています。社会が大きく変化する今、学校とは本来、何をすべきところなのでしょうか。これからの学校は、今までと同じでいいのでしょうか?

 新渡戸文化学園の初代校長である新渡戸稲造先生が子どもたちに伝えていた言葉の中に、「人がこの世に生まれた目的は、人のために尽くすことである。自分が生まれた時からこの世を去るまで、周りの人々が少しでも良くなれば、それで生まれた甲斐があるというものである」があります。

初代校長の新渡戸稲造先生
初代校長の新渡戸稲造先生

 この言葉を受け継ぎ、新渡戸文化学園では、すべての校種において「Happiness Creator~自立型学習者~」を共通理念に、学校のあり方を考えています。子どもたち一人ひとりが、今の自分を好きになり、とことんその「好き」を探求する。そして、頻繁に社会と学校を接続させていくことにより、たくさんの大人と出会い、多様な価値観と人生観に触れながら、自分の「好き」なことで誰かを幸せにしていく自信をつける教育を目指しています。出会いや経験をとことんできる「場」を学校で提供しているのです。

今こそ、学校のあり方を考え直す

 本校で実施した教員研修において、全教職員で考えた「問い」を紹介します。

  • Q.授業外でもできることとは?
  • Q.授業中でないとできないこととは?

 皆さんは、どのようにお考えになりますか。コロナ禍において、大切な生徒たちを登校させる責任にも関わる内容になります。

 なぜこのような問いについて話し合ったのかというと、「Happiness Creator~自律型学習者~」を育むために、生徒の主体的な学びを引き出すための授業デザインを見直してみようと実施した、教員研修の中から自然と生まれたテーマでした。以下は、本校の教職員から出てきたキーワードの一部です。

Q.授業外でもできることとは?

 授業の予習・復習、用語を覚える、文法の学習、教科書を読む、ノートをまとめる……

Q.授業中でないとできないこととは?

 先生に直接聞く、友だちと対話する、不安を相談する、友だちに教える、考えを共有する、グループワーク、実験……

 そして、授業外に出せるものは、工夫しながら宿題や予習課題として授業の外に出してしまい、授業中にしかできない活動の時間を増やすこと、つまり各授業に「余白」を生み出して、もっと授業中でないとできないことに多くの時間を使っていくことになりました。私自身、授業外でもできることを、たくさん授業中に実施していることに気づいた研修となりました。

 ここで考えた授業デザインについては、対等な関係性を築くため、生徒にも聞くことが大切だと考えました。授業を受けるのは生徒たち自身であり、こちらが良いと思って授業を変えても、生徒にとっては不安や不満が大きくなる授業デザインである可能性もあるからです。

 そこでこの研修のあとに、同じ問いを聞いてみました。すると、私の担当する高1の生徒からは以下のような答えが返ってきました。

Q.授業外でもできることとは?

 基礎学習、テスト、小テスト、教科書を読む、動画を観て学ぶ、ノートまとめ……

Q.授業中でないとできないこととは?

 先生に質問する、分からないところを友だちに聞く、調理実習、体育、実験、給食、(授業ではないが、学校でしかできない)部活……

 どれもなるほどと思う意見ばかりでした。そして、多くの点で教員が出した考えと重なる点がありました。教員の考えたことと、生徒たちが教えてくれたことを融合させながら、授業をリデザインしています。

一方通行ではなく、生徒と教員が対話しながら授業を進める
一方通行ではなく、生徒と教員が対話しながら授業を進める

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オンラインで可能となった「学俗接近」の教育デザイン

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この記事の著者

山藤 旅聞(新渡戸文化中学・高等学校)(サントウ リョブン)

 新渡戸文化中学・高等学校教諭・統括校長補佐・高校教育デザイナー、都立高校講師、一般社団法人Think the Earth SDGs for Schoolアドバイザー。  2004年より都立高校で生物の教員となり、オール実験の授業や生徒の「問い」だけで進める授業、生徒が主体的・自立的に学びを進める...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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