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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み

生徒が学びに対してポジティブになる、オンライン授業実践――そこで生まれた価値とは?

新渡戸文化学園でのオンライン学習の取り組み 第7回

 2020年度からオンライン授業の環境を整え、4月の当初から授業を行ってきた、新渡戸文化小中学校・高等学校。その実践を紹介する連載の第7回をお送りします。オンライン環境を活用した授業では、どのような工夫が必要なのでしょうか。今回は、同期型のオンライン授業実施において大切なことと、中学と高校の理科での授業実践を紹介します。

オンライン(同期型授業)の方針と準備

双方向でなければYouTuberでいい

 オンライン同期型授業において大切にしたことは、「双方向性がなければ配信型(オンデマンド型)でいい」ということです。そして「オンデマンド型のパフォーマンスは、専門のYouTuberと比べられてしまう可能性がある」ことは把握しておく必要があります。

 もちろん、現場の生徒に合わせた、知っている先生からの説明であることは、生徒の受け取り方に大きな影響を与えます。しかし「教員の限られた時間的リソースをどこに使うべきか」という観点で考えたとき、果たして動画作成に膨大な時間をかけることにどれほどの効果があるかは、その学校の実情と照らし合わせながら慎重に検討する必要があります。

 本校では、今年の4月からICT活用が本格始動したこと、デジタルコンテンツの操作が得意ではない教員がいたことから、無理に動画作成に時間をかけるのではなく、授業のマインド共有や、生徒の安心安全を保つための準備に時間をかけるべきであると判断し、「授業動画の配信」ではなく「リアルタイムの授業」を実施することにしました。もちろん、この判断は学校の事情や生徒の状況に応じてベストな選択が異なるため、オンデマンド動画を作成すること自体を否定するものではありません。

生徒のモチベーションベースになる

 リアルタイムの同期型授業を行う際、いくつかの心配事が生じます。しかし、それらの多くは「生徒のモチベーションを高める」ことで解決します。別の言い方をすれば、「オンライン授業に対してネガティブにならない」ことが大切です。

 生徒がオンライン授業に対してネガティブになるとすると、どのような理由が考えられるでしょうか。予想されるものを羅列してみました(図1)。

図1 オンライン授業に対してネガティブになる理由、(1)その科目(あるいは先生)がもともとすきではない、(2)一方的につまらない話が続くので、飽きる、(3)小さな画面を見続ける必要があるので、疲れる、(4)何をしたらいいのか、何の支持をされているのかがわからず、楽しくない、(5)授業よりも強い誘惑(ゲームや漫画、睡眠など)が近くにあって、別のことをやりたい
図1 オンライン授業に対してネガティブになる理由

 このうち、いくつの項目を授業のデザインで変えられるでしょうか。もちろん簡単に解決できる問題ではありませんが、おおむね授業のデザインで解決できると、私たちは考えています。そのために必要なのが、「教員の目線合わせ」と「カリキュラムマネジメント」です。

 オンライン授業に対して私たちが共有したことは、「出席している時点ですごい、だからその中で学ぼうとしている君たちはとってもすごい」ということです。そのマインドが共有できたため、生徒たちは「出席する」ことに意義を見いだします。そして、扱う内容や時間のデザインも生徒の負担にならないよう、学びに対してポジティブになるようにしました。そのデザインの一部を紹介します。

  1. 国数英以外、宿題は出さない。また、出す場合でも「ノルマ的課題(何文字書く等)」は課さない。
  2. 授業は45分だが、課題を指示して作業時間とする、というような「短時間授業」を推奨する。
  3. 授業は1日3~4時間に抑える。
  4. 出席できなくてもOK、出席していることがすばらしい(もちろん家庭に電話等はする)。
  5. チャットやミュート解除を用いて「生徒からの発信」を積極的に行う。
  6. とにかく「ワクワク」する、「やりたくなる」授業を考える。

 また、教科を横断して同じテーマを同時期に扱ったり、総合的な学習や季節との関連がある単元を調整したりするなど、カリキュラムマネジメントを丁寧に行うことも重要です。本校の場合授業時間数を減らしたため、通常通りの扱い方では履修内容を完了することが難しくなります。しかし、単元の扱い方を変えたり、学び方を効率的に行ったりすることで、年間の履修内容を問題なく学習することができる予定です。

 もちろんこのようなデザインをして完全に統一し、すべての生徒が学びに向かうところまでは達していませんが、オンライン期間を通して「より学びたくなった」「オンラインでもたくさん学んだ」「オンラインのほうがいい」といった声が多く上がったことから、生徒はオンライン授業に対してポジティブにとらえることができたと考えています。

 ここからは実際に行った授業の実践を紹介します。

次のページ
授業実践(1)中学1年生 理科

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この記事の著者

奥津 憲人(新渡戸文化小中学校・高等学校)(オクツ ケント)

 東京都八王子市出身。私立の中高を卒業し、大学は麻布大学 獣医学部 動物応用科学科を卒業。学部生時代は野生動物学研究室でごみ処分場の自然回復について研究をしていた。前任校では理科主任、ICT委員会委員長およびSDGs委員会委員長を務めていた。現任校ではラーニングテクノロジーデザイナーとして教育ICT...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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