紙の伝票と同様のユーザー体験を活かしながらデジタル化の恩恵を享受できる「ワークフローシステム」
エイトレッドは、ワークフローシステム(決裁処理システム)の開発と販売を専業で手がけるメーカーで、現在東証一部に上場している。中小規模企業向けワークフローシステム「X-point(エクスポイント)」は、親会社のソフトクリエイトホールディングスから独立する前から数えると17年の歴史を持つ。
現在は大企業向けの「AgileWorks(アジャイルワークス)」と、中小企業向けにクラウドでサービスを提供する「X-point Cloud(エクスポイントクラウド)」の3製品を提供しており、企業数で3000社、学校法人でも50校以上が同社のサービスを利用している。
ここでいう「ワークフロー」とは、組織において「誰がどのように申請して、作業や処理を行い、最終的に決裁するか」という業務の流れを指しており、具体的には稟議書・各種申請・精算処理といった従来紙の伝票を介して行われていた、様々な社内申請手続きが該当する。
エイトレッドのワークフローシステムの最大の特徴は、紙やExcelで作った伝票をそのままウェブブラウザ上で再現することで、直感的な操作が行えること。申請の入力だけでなく電子承認やデータの利活用の部分もカバーしており、17年間のサービス提供の実績から、並列承認(合議)や金額に応じた承認者の変更(権限分岐)といった日本独特の複雑なワークフローにも対応している。
働き方改革やテレワークといった時間や場所にこだわらない働き方、脱出社・ペーパレスといった社会的要因も追い風で、近年売上と利益を伸ばしており、特にワークフローシステムのクラウド市場(SaaS)や中堅中小企業向け市場では、シェア1位を誇る。
株式会社エイトレッド 代表取締役社長の岡本康広氏は、現在戦略的に注力している対象として、「ワークフロー総研」「コラボレーション」「アカデミックライセンス」の3つを紹介した。
「ワークフロー総研」は、ワークフローを広く周知し問題解決の手段として活用してもらうためのオウンドメディアで、2020年4月に立ち上げられた。
また、ワークフローシステムについては、電子サインやRPA、AIチャットボットといった「外部サービスとのコラボレーション」を現在強化している。
同時期の2020年4月には「アカデミックライセンス」の提供も開始した。今回の発表会では、アカデミックライセンス提供開始の背景と、提供してから7か月ほど経った現況が、帝京大学における導入事例とともに紹介された。