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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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教育現場でのICT活用事例紹介(小学校)

70歳のオンライン授業ことはじめ ~じぃじオンラインアカデミーの場合~

 今年、コロナ禍の影響に伴う臨時休校措置によって、学校と家庭の双方で混乱が生じ、一方で学びを継続しようという試みも手探りで多く行われてきました。本稿では、小学3年生の子どもを持つ前田考歩さんが、元小学校教員の資格を持つ父とともに行ったオンライン学習の取り組みについて振り返り、オンライン授業の可能性について考察します。(編集部)

はじめに

 新型コロナウイルスの影響で、公教育は大きな影響を受けています。感染拡大に伴う4~5月の緊急事態宣言により、地域の感染拡大状況に応じて「新学期の開始」あるいは「臨時休校の継続」の対応が、各小中学校でとられていました。文部科学省の発表によると、新学期を予定通り開始した学校は全体の6割で、今でも多くの学校ではその対応に苦慮しているというのが現状でしょう。私が住む埼玉県内でも、3学期末から2か月程度の臨時休校措置が取られました。

 小学3年生になる娘を育てる我が家も、この状況への対処に右往左往しました。そんななか、元小学校教員の資格を持つ祖父が、慣れないながらも始めたオンライン授業によって、休校期間中も一定の教育の質を保つことができました。その名も、「じぃじオンラインアカデミー」。今回は、その取り組みを時系列順に、試行錯誤も含めてお伝えできればと思います。

コロナに振り回された3、4月

 小学校から、3学期中の休校連絡を受けたのは2020年2月27日。その日は学校に登校しましたが、翌28日に正式に休校が決定されます。学校からは自習が申し渡されますが、この時点では具体的な学習内容の指導などはなく、実家の父から自習プリントを送ってもらいます。

 その時父に、

「勉強をどうしよかなぁと思とるんやけど」

と相談したところ、

「ええやないか。好きな本をいっぱい読ませてあげたりしたら」

とまだ楽観的な反応。

 自習の採点を父母に頼みつつ、私も在宅勤務に向けて仕事の整理などを始めていました。娘は休校前から試読中だった朝日小学生新聞を取り始め、新聞をポストに取りに行くのが日課になります。

 そんな状況が終業式の3月26日まで続きました。

 4月に入りましたが、世間のコロナをめぐる状況は日一日と悪化しているように見えました。このころから、「新学期になっても学校が再開されないのではないか……」という不安が首をもたげます。

 そんな中、4月6日の在宅勤務時に、市の教育委員会から学校再開の連絡メールが来ます。4月17日まで半日授業をし、給食後下校とのこと。ホッと一安心したのもつかの間、夕方には再び市の教育委員会から、国が埼玉県に対し緊急事態宣言を発出した場合、4月9日から休校となるという連絡メールが来ました。このときは新学期中の休校措置を覚悟しました。

 4月6日、政府は特別措置法に基づく緊急事態宣言を7都府県に発出しました。期間は5月6日まで。その中には、わが家が住む埼玉県も入っていました。新学期の休校が決まった瞬間です。私自身も完全在宅作業になり、あわただしく過ごしていた4月17日、小学校から「来週1週間分の課題」として、下記のメールが来ます。

 私は小学校教諭を両親に持っているので、彼らが普段どんなに努力をして授業を行っているか、多少なりとも知っているつもりです。だからこそ、1週間分の課題として出された上記の項目が、通常の学校教育と比してかなり質の下がるものであることが分かりました。教育の専門的知識を持たない我々が、どこまで娘をサポートできるか大きな不安を覚えました。言い方は悪いですが、学校から教育を丸投げされた、という印象でした。

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オンライン授業、始まる

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この記事の著者

前田 考歩(マエダ タカホ)

プロジェクトエディター 自動車、映画、地域活性、防災、育児、離乳食、動画、カメラなど、様々な業界と製品のプロジェクトマネジメントに携わる。プロジェクトに「編集」的方法を取り入れたプロジェクト・エディティングを提唱。VUCAな時代を切り拓く素養の育成を目的に、小学生から大学生を対象にしたPBL(Pr...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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