(前編はこちら)
6:コース選択制による創造的プログラミング教育の普及推進
株式会社D2C(東海ブロック)。
D2Cは、他地域への展開が可能なメンター募集と育成、そして教師やメンターによるカリキュラム作成に重点を置いた実証実験を行った。主に大学生をメンターとして活用するスキームを検証した。大学の掲示板掲載、説明会の実際、教授やゼミ経由での募集など多様な募集告知を行った。
これはプログラミング教育を新規に始めようとした場合、授業開発や授業を支援するメンターも一から募集しなければならないからだ。そのような場合、応募してくる学生も目的やモチベーションにばらつきがあり、メンターや指導員の養成もその前提で行う必要があるとした。しかし、メンターの募集、トレーニング、授業への展開がうまくいけば、プログラミング教育を受けた小学生が、将来メンターや先生になることを考えると地域ICT教育のエコシステムが確立できる。
課題は、メンターが支援につくグループ学習はうまくいったが、児童30人、40人を対象とした授業は教師1人では難しいという結果がでたことだ。
7:ものづくりDNAの継承 めざした地域型プログラミング教育
西日本電信話株式会社(近畿ブロック)。
製造業の街、大阪を生かしたプログラミング教育として、「Ozobot」というマイクロマウス(迷路脱出競技)型のロボットを使った授業を寝屋川市立石津小学校5年生に対して行った。これを寝屋川モデルとし、次年度以降は他地域への展開を考えている。
メンターや周辺もしくは大阪府内の大学の学生を対象として募集をかけた。カリキュラムや教材がプロジェクトとしてほぼ固定できるので、メンター募集や指導、授業の作成はプランや段取りを絞ることができたようだ。
得られた知見として、ロボットをゴールまで移動させるための手順はさまざまで、どれが正解というものはないことへの児童の取り組みの多様性。児童への気づきとともに、指導する側も奇抜な発想や多様な発想に触れることができた点。