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Zoomを活用したオンライン朝の会、進行のポイントは?【公立小学校での実践事例】

オンライン朝の会を実施する際の注意点・ポイント 後編

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2020/05/29 07:00

 私は埼玉県の公立小学校で教員を務めています。新型コロナウイルス感染症対策によって学校が休校する中、私の勤務校ではオンライン会議システムの「Zoom」を用いた朝の会を4月上旬から行ってきました。学校が再開されてからもオンラインで子どもたちと交流する機会はあるかと思います。そこで、オンラインで朝の会を行う際の留意点や、実際の様子を、2回にわたってお伝えします。前回は事前準備についてポイントをお伝えしました。後半となる今回は実際の朝の会の流れに沿って、どのように運営すればいいか、実践をもとに解説します。

目的に応じた会の計画をする

 前回の記事でお伝えした通り、このオンライン朝の会は「先生と子ども、または子ども同士のコミュニケーションチャンネルを作ること」を目的としています。ですから、たくさん話す場を作ることが必要です。一方通行ではなく、双方向でのコミュニケーションが成立するためにどんな内容で行うのか、計画を立てましょう。

 コミュニケーションチャンネルを作ることを目的としたZoomでの朝の会では、以下の内容が考えられます。

  • 健康観察
  • クイズ
  • 早口言葉
  • 簡単な体操
  • じゃんけん

 慣れてきたら、次のような活動も可能になります。

  • グループでのフリートーク(ブレイクアウトルームを使って)
  • 課題の確認や質問の受付
  • 子どもたちが出すクイズ

 これらを目的に応じて組み立てるといいでしょう。

 今回の目的はコミュニケーションです。担任とのつながりができてきたら、そのつながりを太くすることを目指します。子どもたち同士のつながりができてきたら、そのつながりを太くすることを目指します。つながりが太くないうちに新しいことを始めてもうまくいかなかったり参加率が下がったりします。クラスをスタートするときと一緒で、まずは関係作りを目指していきましょう。

 また、休校中に自宅で待機している子どもたちは、自分の話を聞いてくれる相手がいないことにストレスを感じています。Zoomを用いた朝の会では子どもたち同士のコミュニケーションを図るためにも、静かに聞いているだけの時間から、誰しも発言できる時間として計画するといいと思います。

 具体的には、子どもたち同士のコミュニケーションの量も増やすことを目的として、小グループでの話し合いを混ぜていくとより効果的です。お題はどのようなものでも構いません。昨日したこと、好きな漫画の話、ゲームの話……子どもたちが話しやすい内容で会話量を増やすような働きかけをするといいでしょう。

 その中で、間違ってはいけないのは話すことを強制にしてしまわないようにすることです。聞いているだけのほうが好きな子もいますし、小グループでも話し合うことに抵抗を感じる子は存在します。話し合いの場を作ることと、必ず話させることはセットにしないよう、「話さなくて、聞いているだけでも大丈夫だよ」と、事前の説明による配慮をお願いします。

慣れるまでは会の進行を事前に示す

 学校で毎朝行っていた朝の会でも、日直が朝の会の流れの紙を見ながら進行することが一般的だと思います。これは、ある程度の決まった進行があることで、見通しを持って安心して朝の会を進めることができるからです。同様に、オンラインでの朝の会も慣れるまではパワーポイント等で流れを作成し、適宜画面共有を行いながら進めていくといいでしょう。そうすることによって子どもたちも現在地がわかり、安心して会に参加することができます。

 慣れてきたら、子どもたちの自由な発言を拾うことや、子どもたちによるクイズの出題なども行うことができます。そのくらいの習熟が見られてきたら、一定の枠としての流れは示しながらも、臨機応変に時間の使い方を変えていけると、充実した朝の会になるでしょう。

流れを提示するスライドの例
流れを提示するスライドの例

話し合いや発表の際の注意点

 Zoomでの朝の会は家庭から参加している点に配慮が必要です。具体的には、参加者の周囲には保護者がいることや、きょうだいが横にいることも考えられます。そのため、教室での会話と同じように話をしていても、受け取り方の違いが顕著に表れます。保護者やきょうだいが聞いていても問題のない内容にとどめ、パーソナルな内容、特に宿題や課題の未提出者といった内容は、避けたほうがいいでしょう。

 また、小グループでの話し合いのためにブレイクアウトルームを使うこともあるでしょう。しかしながら、先生が1つの端末でログインしている場合、すべての話し合いを一度に把握することは仕組みとしてできません。短時間で部屋を移り、グループの話し合いを「つまみ食い」するかのように把握することになります。

 そのため、小グループでの話し合いの様子を見ながら、臨機応変に話し合う内容を変えるといったことは難しくなります。話し合いの際には、見通しを持った話し合いのテーマの提示と、時間が余ったときに何を話し合うのかの提示話し合いの結果をどのように共有するかについて事前に共通理解した上で、ブレイクアウトルームセッションを開始しましょう。


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著者プロフィール

  • 鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

     公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

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