すららネットは、同社が提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」が、静岡県の夜間中学校である静岡県立ふじのくに中学校磐田本校(以下、磐田本校)で導入され、4月から活用が始まったことを7月8日に発表した。外国にルーツを持ち、日本語指導が必要な約20名の同校の生徒が、すらら にほんごで日本語学習を始め、学習成果が見え始めている。全国的に日本語指導が課題となっている夜間中学校で、すらら にほんごが導入されるのは初となる。

全国の夜間中学に通う生徒のうち、外国籍の生徒は全体の約64%を占めており、磐田本校においても在校生の約7割は日本語指導が必要な生徒である。そのため、同校では開校初年度、日本語学習を中心にした指導を行っていた。しかし、生徒の日本語に対する学習意欲を継続させるのがなかなか難しい状況だった。そこで2年目は日本語以外の教科指導を多くしたものの、やはり日本語理解の重要性が浮き彫りとなり、3年目となる2025年から日本語学習中心に戻す方針となった。
生徒ごとに日本語力の差があり、日本語指導の専門教諭がいない中で日本語学習を進めるために導入されたのが、すらら にほんごだった。すらら にほんごは、読み書き・語彙・文法などをAIが一人ひとりの理解度に応じて最適に出題し、音声読み上げや視覚的なナビゲーションを通じて、ゼロから1人で学習を進めることができる教材である。専門の日本語指導教諭がいない状況でも、生徒が自立的に学習できる点が評価され導入された。
すららネットでは、4月から日本語学習ですらら にほんごの活用を始めた生徒17人を対象に、6月にアンケート調査を行った。その結果、約88%の生徒がすらら にほんごの活用前と比べて「日本語学習が楽しいと感じた」と答えており、学習意欲が向上している様子がうかがえた。

さらに、すらら にほんごを活用前と比べて「授業がわかるようになった」と答えた生徒は約90%、すらら にほんごが「日本語学習の手助けになった」と感じている生徒は約94%となり、生徒たちが学習効果を実感していることがわかった。


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