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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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教育現場でのICT活用事例紹介(小学校)

学校がなくても子どもたちが進んで学び続ける、7つの理由

小金井市立前原小学校 蓑手章吾先生の休校時における実践 後編


 新型コロナウイルスの影響により、全国各地の学校が休校になる中、子どもが自主的に勉強することの難しさも指摘されています。前回はその原因について、小金井市立前原小学校の蓑手章吾先生に解説していただきました。休校中でも学ぶのをやめなかった蓑手先生のクラスの子どもたち。そこには7つの理由があるといいます。以前よりICT活用に率先して取り組んできた蓑手先生による、休校期間中の実践と併せてお送りします。(編集部)

休校中も「学びが止まらない」子どもたち

 期せずして、準備する余裕もないまま休校となって1カ月が経ちました。当初の混乱こそ収まりつつあるものの、いつまで続くかも分からない休校期間に不安と、何もできない無力さに打ちのめされています。こうした状況でも、いつ学校が再開しても対応できるようにと、採用されるかも分からない予定を何本も立て、行政の指示を受けて日々修正・立案に奔走しているのが今の現場の実情です。

 そのような中、前原小学校では3月からずっと、オンラインによる学びが続いています。巷では「学びを止めるな」というキャッチフレーズが使われていますが、本校の場合は「学びが止まらない」といった表現のほうが近い気がします。こちらが手を尽くして学びを止めないように腐心しているわけではなく、子どもたちが嬉々として学んでいるのです。完全自主制、やってもやらなくてもよい設定にも関わらず、土日も、春休み中もどんどん学び進めていく子どもたちの姿がそこにはありました。

 本記事では、現在も続いている前原小学校の取り組みについて詳しくお伝えします。

柔軟にICTを活用する小金井市立前原小学校

 本校は、東京都の小金井市という人口12万人ほどの、都内では比較的小さな市にある公立の小学校です。全校児童は600人弱。そのほぼすべての児童が、1人1台のテクノロジー端末を持っている、ちょっと変わった学校です。先進的な取り組みに前向きな首長や教育委員会のバックアップを受けながら、学校長の強力なリーダーシップの下、数年の間にここまでの環境を整えました。当時の学校長から変わった今でも、恵まれたテクノロジー環境を活かしつつ、「いついつまでにこれだけ使わなくてはダメ」といった特段の縛りもない中で、のびのびとICT活用を進めています。

 特に私の学年(現6年生)では、ほぼ毎時間、すべての授業でChromebookというノートパソコンを活用しています。起動まで6秒、インターネットはもちろんドキュメントやスライドも扱えて、充電は3日程度持ちます。軽くて頑丈なのも、学校で使う上では扱いやすい大事な利点と言えます。

 特に重宝しているのが「まなびポケット」です。NTTコミュニケーションズが提供するデジタルプラットフォームで、児童1人1つのアカウントが割り振られ、デジタル教材にリンクします。インターネットで利用するクラウドサービスのため、ネットにつながる環境であればスマホでも、また家からでもアクセスできるのが最大の強みです。

 本校では算数ドリルのデジタル版である「やるKey」や動画コンテンツの「eboard」、英語の動画学習コンテンツ「EnglishCentral」といった便利な教材を活用してきましたが、今回の休校期間で最も効果を発揮したのが協働学習・アクティブラーニング支援システムの「schoolTakt」(以下、スクールタクト)です。

 スクールタクトでは、1人1枚のページが割り振られ、ペンやタイピングで自由に文字を書いたり、写真や画像を貼り付けたりできます。子どもたちが書いた作品は、画面上に分割されてリアルタイムに映し出され、お互いに見合うことができます。さらには「いいね」を付けたり、コメント欄に記入したりもできるすぐれものです。このスクールタクトを使って、例えば朝の会の時間では「朝ノート」と称して、健康状態や最近のマイブーム、友だちのいいところなどを毎日発信し合ってきました。

 また社会科の授業では、自動車工場の単元であれば自動車に関連することを調べ、1枚の白いノートにまとめます。子どもたちの興味関心からスタートでき、レイアウト能力も身に付きます。何よりいいところは、作成と同時に発表になるところ。子どもたちは書きながらでも、お互いのノートを見合ってフィードバックし合うことができます。

次のページ
休校期間中もスクールタクトを活用

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この記事の著者

蓑手 章吾(小金井市立前原小学校)(ミノテ ショウゴ)

 教員14年目。特別支援学校でのインクルーシブ教育や、発達の系統性、学習心理学に関心をもち、教壇に立つ傍ら大学院にも通う。特別支援2種免許を所有。ICT CONNECT21が主催する「先生発!最新のICT技術で教育現場を変えるハッカソン」ではグランプリを受賞。全国から注目されるICT教育を推進する前...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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