突然の休校! 制約がある中でもできることをやろう
2月末日。学年末に向けていよいよラストスパート、と思っていた、まさにそんなある平日の夜でした。その衝撃のニュースを、私は帰宅中の電車の中で知りました。新型コロナウイルス対策による、全国一斉休校。明日が最後の1日になるかもしれないと、腹をくくったことを覚えています。
子どもたちが学校に来ることができなくなる。そんな状況で、自分にできることはなんだろう。この子たちとできることはなんだろう。頭フル回転で考えました。
私の勤務する小金井市立前原小学校は、総務省のICT実証事業推進校ということもあり、日常的にテクノロジー端末を使用してきたちょっと珍しい学校です。これまでの授業を通して、1人1台のデバイスを、まるで文房具の一部のように使用できるし、アナログとの差異も経験してきました。もちろん、サイバー空間の怖さも、魅力も。
実は、これまでの普通の長期休みもオンラインを活用してきました。クラウド上でWebコンテンツとして利用できる学級版SNS「schoolTakt」で、日々の連絡・相談からコミュニケーションまで楽しみながら実験してきました。私と、この子たちとだからできる実践がある。そう思い、最後の1日の使い方について考えたのでした。
最後の日にやったこと。それは、休校期間中にどのように学習を進めていくかの相談とルール作りでした。今までやってきたことを組み合わせながら、持続的に自分を成長させられる環境はどのように作ればいいか。また、そこにはどのような壁やハードルが考えられるのか。その中でも特に入念に確認したのが、家庭におけるインターネット環境でした。
さまざまな懸案事項や懸念材料があるのは百も承知で、「やらない理由」がたくさん思い浮かぶ中、それでもやることに踏み切ることにしました。ここで踏み出さなきゃ、教育は変わらない。その割を食うのは子どもたちです。できることから始めよう。背中を押してくれたのは、そんな挑戦を応援してくれる周りの人たちの声でした。