EdTechZine(エドテックジン)

学習目的・対象者別

ネット環境だけじゃない、休校で明るみに出た子どもたちの本当の格差とは?

小金井市立前原小学校 蓑手章吾先生の休校時における実践 前編

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 新型コロナウイルスの影響で全国各地の学校が休校になる中、インターネットを活用した学習が注目されています。その一方で、「家庭におけるインターネット環境整備が格差を生む」といった指摘もあります。ですが問題はそれだけではないと、小金井市立前原小学校の蓑手章吾先生は語ります。ICTの活用に率先して取り組んできた蓑手先生が考える「学びの在り方」とその実践を2回にわたってお送りします。(編集部)

突然の休校! 制約がある中でもできることをやろう

 2月末日。学年末に向けていよいよラストスパート、と思っていた、まさにそんなある平日の夜でした。その衝撃のニュースを、私は帰宅中の電車の中で知りました。新型コロナウイルス対策による、全国一斉休校。明日が最後の1日になるかもしれないと、腹をくくったことを覚えています。

 子どもたちが学校に来ることができなくなる。そんな状況で、自分にできることはなんだろう。この子たちとできることはなんだろう。頭フル回転で考えました。

 私の勤務する小金井市立前原小学校は、総務省のICT実証事業推進校ということもあり、日常的にテクノロジー端末を使用してきたちょっと珍しい学校です。これまでの授業を通して、1人1台のデバイスを、まるで文房具の一部のように使用できるし、アナログとの差異も経験してきました。もちろん、サイバー空間の怖さも、魅力も。

 実は、これまでの普通の長期休みもオンラインを活用してきました。クラウド上でWebコンテンツとして利用できる学級版SNS「schoolTakt」で、日々の連絡・相談からコミュニケーションまで楽しみながら実験してきました。私と、この子たちとだからできる実践がある。そう思い、最後の1日の使い方について考えたのでした。

schoolTaktを活用して子どもたちとコミュニケーション
schoolTaktを活用して子どもたちとコミュニケーション

 最後の日にやったこと。それは、休校期間中にどのように学習を進めていくかの相談とルール作りでした。今までやってきたことを組み合わせながら、持続的に自分を成長させられる環境はどのように作ればいいか。また、そこにはどのような壁やハードルが考えられるのか。その中でも特に入念に確認したのが、家庭におけるインターネット環境でした。

 さまざまな懸案事項や懸念材料があるのは百も承知で、「やらない理由」がたくさん思い浮かぶ中、それでもやることに踏み切ることにしました。ここで踏み出さなきゃ、教育は変わらない。その割を食うのは子どもたちです。できることから始めよう。背中を押してくれたのは、そんな挑戦を応援してくれる周りの人たちの声でした。


  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 蓑手 章吾(小金井市立前原小学校)(ミノテ ショウゴ)

     教員14年目。特別支援学校でのインクルーシブ教育や、発達の系統性、学習心理学に関心をもち、教鞭を持つ傍ら大学院にも通う。特別支援2種免許を所有。ICT CONNECT21が主催する「先生発!最新のICT技術で教育現場を変えるハッカソン」ではグランプリを受賞。全国から注目されるICT教育を推進する前...

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0