博報堂教育財団は、同法人の調査研究機関であるこども研究所が、全国の小学4年生~中学3年生とその保護者を対象に実施した調査において、学校教育で進むデジタル化の様子や、それに対する子どもと保護者の意識の違いに関する結果を9月11日に発表した。同調査は子どもを取り巻くさまざまなトピックスについて7月13日に行われ、子ども1200名、保護者1200名から有効回答を得ている。
調査対象者のうち小学4年生〜中学3年生に、自身が通っている学校に当てはまるものを尋ねたところ、「授業や宿題で動画を見ることがある」(68.7%)、「宿題をタブレットで提出することがある」(62.7%)、「クラスの連絡がオンラインでくる」(60.3%)といった、学校教育や学校生活においてデジタル化が着実に進んでいる様子が明らかになった。
また、「プログラミングの授業がある/あった」(50.3%)、「授業で生成AIを使ったことがある」(20.4%)といった、新たなデジタルスキル習得に向けた授業の導入が進みつつある様子もみられる。
小学校/中学校別でみると、小学生は中学生と比較して、「教室にプロジェクターがあって、毎日使っている」という回答が8.7ポイント高かった。

すべての調査対象者に、学校に対する意見のうち自身の考えに近いものを選んでもらった質問では、保護者は「文章を書くときは、手書きがいい」が57.3%を占めたのに対して、子どもは「文章を書くときは、キーボード入力がいい」が43.8%に達し、「手書きがいい」(30.8%)を上回っている。
また、保護者は「紙の教科書がいい」が60.7%を占めたのに対して、子どもは「紙の教科書がいい」が39.9%、「デジタルの教科書がいい」も34.8%という結果となった。

ほかにも、学校に対する意見のうち自身の考えに近いものを選んでもらったところ、「教室にエアコンがある」(89.0%)、「クラスの名簿が男女混合」(68.7%)、「先生は生徒を『さん』づけでよぶ」(67.5%)、「困ったとき、スクールカウンセラーに相談できる」(66.8%)といった、社会や環境の変化にともなう現在の学校の姿がみられた。
学校やクラスの中での多様化が進んでいる様子がみえる項目としては、「制服は女子もスラックスを選べる」(中学生のみ、64.6%)、「ランドセルの色は黒・赤以外の子が多い」(小学生のみ、63.9%)、「クラスに、外国につながりのある子がいる」(54.8%)がいずれも半数超を占めた。
「運動会/体育祭は半日で終わる」(69.7%)、「部活動が地域移行している」(中学生のみ、32.3%)といった変化も進んでいる。一方で、「教室の掃除は生徒がする」はもっともスコアの高い91.7%を占めた。

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