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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える

教育実習を先生個人の負担にしない──未来の先生を増やす「仕組み化」のヒント

未来の学校現場考──教員のサステナブルな働き方を考える 第9回

民間のインターンシッププログラムに学ぶ、設計のコツ

──教育実習を、もっと現場の先生と学生の双方にとって価値ある機会にするには、何が必要だと思いますか?

 現場の業務改善が必要な点はもちろんありますが、それ以上に、教育実習そのものの設計を見直すことが重要です。

 最も大切なのは、教育実習を「成長の手応えを感じられる場」にすること。実習生ができることを段階的に増やし、失敗してもリカバリーできる経験をあらかじめ用意し、達成感を味わえる瞬間を意図的につくる。そうすることで、現場と実習生の双方にプラスの循環が生まれます。

──具体的には、どのような設計が必要でしょうか?

 民間のインターンシッププログラムでは、始まる前に学生と面談を行い「このインターンでどのような成長がしたいか」「インターンが終わったときにどのような自分になっていたいか」などを擦り合わせることがあります。こうした事前の擦り合わせによって、学生は具体的なイメージを持つことができ、より主体的に取り組めるようになります。受け入れ側にとっても、その目標に沿った経験やフィードバックを設計しやすくなり、結果として双方の期待のズレを減らし、短期間でも実りある時間をつくりやすくなるでしょう。

 また、最初から全部を任せるのではなく、段階を踏んで少しずつできることを増やしていくこともポイントです。その過程でうまくいかないことがあっても、的確なフィードバックや勇気づけを行い、最終的には達成感や喜びを味わえるような流れをつくります。限られた期間であっても、設計次第で成長実感は必ず生まれるものです。

 クジラボでもインターンを受け入れていますが、2週間の短期プログラムでは、初期に資料作成や簡単なバナー作成など専門性の高くない業務を設定し、基礎的な経験からスタートします。そして最終フェーズに近づくにつれ背伸びした業務を任せます。このように設計することで、小さな成功体験を積み重ねることができ、自信やモチベーションアップにつなげることができるのです。

──学校で行うとすれば、どのような設計が考えられるでしょうか?

 まずは、実習を行う前に学生と「この期間でどのように成長したいか」「インターンが終わったときにどんな自分になっていたいか」を共有する対話の時間を設けるところからやってみるといいでしょう。これは、大きな枠組みを変更せずともできることです。

 業務は、いきなりすべてを任せるのではなく、「この班の活動を支える」「特定の児童をフォローする」「授業の前半だけ担当する」など、達成可能な単位に細かく分解するとよいでしょう。最初は取り組みやすい小さな役割から始め、徐々に範囲や難易度を広げていくスモールステップを意識します。少しずつ成功体験を積めるように任せていくような設計をすることが大切です。

 また、フィードバックは「その場で短く・具体的に」が効果的です。「○○の説明は児童がうなずいていたね」など、よい点を具体的に伝えた上で、「次は□□を工夫するともっと伝わるよ」と改善ポイントを示します。最初にやった授業と最後の授業を比較して「こんなに成長したんだ」と振り返ってもらうのも効果的でしょう。

次のページ
学校全体で迎え入れる文化をつくる

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この記事の著者

津田 迪加(ツダ ユカ)

 公立小学校教員を11年経験後、教育の現場で培ってきた傾聴スキルや言語化スキルを生かし、フリーランスライター・編集者として活動中。株式会社クジラボに2021年創業時より携わり、教員向けイベントの企画・運営も行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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