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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(ICT活用)

「NEXT GIGA」成功に向けた3つのポイントとは? 学校現場からの質問に有識者が回答

「第5回 ソフトバンクGIGAスクールサミット 第3部 NEXT GIGAに向けて」レポート

 8月18日、「ソフトバンクGIGAスクールサミット」が開催された。5回目を迎えるこのイベントは、学校・教育委員会・業界有識者が自由に語り合うアットホームな雰囲気が特徴だ。今回は前編・後編の2本立てで、同イベントで語られた「GIGAスクール構想の『現在』と『未来』」をレポートする。後編の本稿では、認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム 新保元康氏の司会のもと、奈良教育大学大学院 小﨑誠二氏、東北学院大学 稲垣忠氏、愛光中学・高等学校 和田誠氏、瀬戸SOLAN学園 大崎貢氏、ソフトバンク株式会社 田中光太郎氏が登壇した「NEXT GIGAに向けて」のセッションの模様をお届けする。

教育委員会が学んでくれない……どうすればいい?

 本セッションでは、イベントの総括も含めて登壇者がこの日の流れを振り返り、「NEXT GIGAに向けて」というテーマのもと、これから重要になりそうな「鍵」を見つける構成で進められた。その中では視聴者から寄せられたいくつかの「質問」を、ソフトバンク株式会社の田中氏が紹介する形で進める一幕があった。

ソフトバンク株式会社 田中光太郎氏
ソフトバンク株式会社 田中光太郎氏

 最初に紹介されたのは学校の教職員から寄せられたと思われる質問で、「教育委員会の担当者がGIGAスクール構想のことを学んでおらず、現場から働きかけても改善が進まない」という辛辣な意見だ。

学校現場の教職員から寄せられた、教育委員会への辛辣な意見
学校現場の教職員から寄せられた、教育委員会への辛辣な意見

 この質問には司会の新保氏も「これは……どうしましょうか」と悩みつつ、この3月まで奈良県教育委員会に17年勤めていた小﨑氏に、すかさずバトンタッチ。これに対して小﨑氏は「17年間の経験から言わせてもらうと、4年以上教育委員会に在籍している担当者は学校現場でGIGAスクール構想(端末の活用)を経験していない。しかも、端末や学習環境が教育委員会に配備されていない中で、教育委員会の管理職や指導主事が学ぶ機会はほとんどなかった。一方で、教育委員会側から見ると配備した端末が学校現場で十分に活用されていない側面もある。この対立構造の中では何も改善されない」と指摘する。不満を言うだけでは何も変わらないからこそ、問題解決に向けて互いに「一緒にがんばろう」と呼びかけることの重要性を訴えた。そのうえで「黒板は100年経っても板書計画でさまざまな議論があるが、ICTはせいぜいまだ3、4年の世界。いろいろな議論や意見があって当然」と相互理解を求めた。

奈良教育大学大学院 小﨑誠二氏
奈良教育大学大学院 小﨑誠二氏

 これを受けて、司会の新保氏は「いきなりまとめるような意見で恐縮だが」と断りつつ、GIGAスクール構想について「本来は5年をかけてやるはずだったものが、コロナ禍の影響により一気に1年で動いた。この質問を投稿した先生も学校現場で大変な思いをしたと思うが、教育委員会も同じくらい大変だったのではないか」と双方をねぎらった。

認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム 新保元康氏
認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム 新保元康氏

 そうした教育委員会の立場について、小﨑氏は「教育委員会はGIGAスクール構想を動かすために必要な、膨大な事務処理に追われていた部分もある」と指摘。また、東北学院大学の稲垣氏は「私の知人である教育委員会の担当者は学んでいる人がたくさんいるが」と断りつつ、「(1st GIGAにおいては)小規模自治体かつ指導主事が少数しかいないところは、本当に大変だったと思う。だからこそNEXT GIGAでは共同調達を前提にして、県域で行っていく方針になったのではないか」と述べた。

 これらの意見を踏まえて新保氏は、学校と教育委員会で対立するのではなく「みんなで力を合わせてやっていくしかない」と、この質問を総括した。

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「GIGAスクール時代」の教育実習で起きている「アカウント問題」とは?

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この記事の著者

野本 竜哉(EduOps研究所 代表)(ノモト タツヤ)

 情報工学修士。高校生時代に自身が1人1台の端末環境で学んだ経験を世に広げるべく、通信企業の学校SE、教育企業の管理職、教育系システム会社の執行役員を歴任し、一貫して教育×ICT領域の事業に従事。2024年8月に独立し「技術をやさしく伝える」をモットーとした教育現場の取材・執筆・情報発信活動の傍ら、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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