教育フェスティバル「SXSW EDU」の魅力は、「教育を変えたい人」が集まるところ
米テキサス州オースティンにて、毎年3月に開催される「SXSW EDU(サウス・バイ・サウスウエスト・イー・ディー・ユー)」は、世界中から教育関係者やEdTechプレイヤーが集まるグローバル規模の教育フェスティバルだ。
同イベントは、もともと音楽フェスティバルの「SXSW」が始まりであるが、やがて、映画やビジネス、ゲームなどのコンテンツも追加され、教育もそのひとつとして始まった。SXSW EDUでは、最新の教育ソリューションの展示や先進的な課題を共有し合うセッション、ネットワーキングやメンタリングの場が用意され、世界中からEdTechプレイヤーや教育関係者、投資家、学生が集まる。2018年には世界47カ国から約1万7000人の来場者が訪れた。
そんなSXSW EDUにおいて、毎年ジャパンブースを出展し、日本のEdTechの存在感を発信し続けてきたのが、本報告会の主催者でもあるデジタルハリウッド大学大学院教授 佐藤昌宏氏だ。
同氏は、EdTechを推進するひとつの取り組みとして、2012年より有志連合「EdTech Japan」を結成し、国内のEdTechプレイヤーに対して海外プレゼンスの支援を行ってきた。具体的には、SXSW EDUにおけるジャパンブースの出展権をかけて競い合うピッチイベント「EdTech Japan Pitch Fes」を毎年開催し、2018年の今年は、進学カウンセラーと生徒を結ぶチャットアプリ「ConnecPath」(ConnecPath Inc.)、スマホ学習塾「アオイゼミ」(株式会社葵)、ビジュアルプログラミングツール「Springin’」(株式会社しくみデザイン)が出展権を獲得し、SXSW EDUに参加した。
佐藤氏は報告会の冒頭で、「SXSW EDUの一番の魅力は、『教育を変えなければいけない』という課題意識を持つ人が多く集まることで、参加者同士のネットワーキングが活発に行われていることだ」と述べた。「あなたの学校はどうしているの?」とカジュアルな会話で課題を共有しながら、教育イノベーションに必要なマインドやつながりを持ち帰ることができる。
もうひとつ、佐藤氏は今年のSXSW EDUの注目すべきポイントとして、昨今、EdTechを推進する経済産業省がセッションに登壇し、日本のEdTechに関する施策や方向性について海外にアピールしたことを取り上げた。同省が海外イベントで教育政策を発信することは極めて珍しく、アメリカのEdTechメディア「EdSurge」でも記事化された。