みんなのコードは、児童生徒が楽しみながらコンピュータの基本的な仕組みを学べる授業教材プラットフォーム「プログルラボ」をリリースしたことを、2月28日に発表した。
「プログルラボ」は、MIXIが提供する子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」のプロデューサー 笠原健治氏が個人として資金提供し、子どもやその家族を取り巻く社会課題の解決を目的に取り組んでいる「みてね基金」第二期 イノベーション助成のもと開発された。
「プログルラボ」は、児童生徒が実際に手を動かしながらコンピュータの基本的な仕組みを理解するための教育教材のプラットフォーム。「お絵かきコース」「ひみつの手紙コース」「みんなで生成AIコース」の3つのコースを無料で利用できる。これからの教育現場に必要とされる児童生徒の体験は何かを考え、以下の2点を意識して開発された。
答えがない時代の学びに適応した教材
「プログルラボ」の開発では、現代社会で子どもたちが直面する課題や未来で求められるスキル・体験に焦点をあて、学習指導要領にとらわれない教材の開発を進めてきた。これにより、学習指導要領に含まれない教科や特定の学校種に限定されない利用が可能となった。児童生徒が楽しみながらコンピュータの基本的な仕組みを学び、これからの時代に必要とされる課題解決能力と創造性が育まれることが期待される。
誰もが楽しめる教材ジェンダーインクルーシブな視点
「プログルラボ」の開発過程では、ジェンダーの多様性を意識した。テクノロジー分野では大きなジェンダーギャップが認められるが、みんなのコードでも社内の教材体験会をきっかけに、これまで男性のみで行われていた教材開発の過程に課題があることを認識した。「プログルラボ」の開発に女性社員が参加したことで、新しい視点を得られた。例えば、女性社員が小学校時代に楽しんだ「アイロンビーズ」や「手紙交換」を教材のアイデアに採用した。これにより、視覚的にも楽しめる、性別に関係なくアクセスしやすい教材の開発を促進できた。
「プログルラボ」のコース概要は以下の通り。
「お絵かきコース」(推奨学年:小学校低学年)
同コースでは、児童生徒が画面上でドット絵を描くことにより、デジタル表現について学べる。1から4までのステージがあり、初期ステージでは基本的なドット絵と色の使用から始め、最終のステージ4ではRGB値を使ってカスタム色を作成し、デジタル画像の色の表現方法について深く理解する。同コースは、アカウントの事前登録など必要なく利用できる。
「ひみつの手紙コース」(推奨学年:小学校高学年)
同コースでは、ネット上でメッセージの暗号化と復号化を行いながら、暗号化の基本とプライバシーの重要性を学ぶ。発信者は指定された数だけ文字をシフトさせることでメッセージを暗号化し、選択したクラスメイトに送信する。受信者はこのメッセージを復号して内容を確認できる。このコースでは、デジタル時代のコミュニケーションに必要なデジタル・シティズンシップを育める。なお、同コースの利用にはアカウントの事前登録が必要となる。
「みんなで生成AIコース」(推奨学年:小学校高学年、中学校、高校)
同コースでは、児童生徒が安心して生成AIを使える。授業での使用を想定し、教員が児童生徒のアクセス管理を行い、注意事項を表示する機能が備わっている。Microsoft Azure OpenAIのAPIを利用し、個人情報の保護を重視した環境で安全かつ創造的な学習環境を実現する。なお、同コースのご利用には事前申し込みが必要となる。
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