武蔵野美術大学は、北海道大学および北海道教育大学と、内閣府事業である戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」において共同研究機関として参画する。あわせて、武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科の長谷川敦士教授を研究担当者として「『創造的思考力』を基盤とした基礎的な教育コンテンツの開発」に取り組むことを、12月13日に発表した。
同研究は、北海道大学 産学・地域協働推進機構 社会・地域創発本部の吉野正則特任教授を研究代表者とする「自分らしく生き、自分の意志で決定できる社会をつくる学びの北海道モデルの構築と展開」を研究題目としている。その基礎的素養として武蔵野美術大学の美術・デザインの学びを通して得られる力「創造的思考力」を展開、実装する仕組みを研究し、社会実装を目指す。
武蔵野美術大学は、2019年に新たな美大の学びとしてクリエイティブイノベーション学科および大学院クリエイティブリーダシップコースを開設し、社会実装の学びを実現する拠点として市ヶ谷キャンパスを整備してきた。同研究では、武蔵野美術大学が90年以上にわたる造形教育で得た教育資産に加えて、市ヶ谷キャンパスで行われた教育・研究活動をさらに広げ、対象を大学生・大学院生にとどまらない教育コンテンツを開発する。
アート思考プログラムアプローチとしては、武蔵野美術大学が開発している「価値創造人材育成プログラム」(VCP)を、同研究の対象向けに開発・展開し、社会実装を行う。
課題探究型アプローチとしては、創造的思考力を兼ね備えた武蔵野美術大学の大学院生・学部生とともに、子ども向け創造性教育育成プログラムの開発、およびフィールドリサーチを実施する。
創造性教育アプローチとしては、長谷川研究室を中心に武蔵野美術大学の大学院生による研究成果を活用して、初等中等教育向けの創造性育成ワークショップを開発・展開する。
あわせて同研究では、北海道大学および北海道教育大学と連携して、地方におけるVCP展開について実証実験するとともに、地方で活動する武蔵野美術大学の卒業生を中心とした、クリエイティブ人材との連携を強化することも目指す。
「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)は、2014年より内閣府の事業として始まり、第3期となる現在は14の課題に取り組まれている。「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」では、2030年までにSociety5.0を生きる人材に必要な「新たな『学び』」をデザインし、生涯にわたって自らの生き方を主体的に考え、他者の異なる価値観を認め、他者と協働し、社会の中で自らを活かすことができる「場(プラットフォーム)」の構築を目指す。
「価値創造人材育成プログラム」(VCP)は、デザイン思考やアート思考といった特定の思考法にとらわれず、「創造的思考力」を涵養するとともに多様な視点を調和・統合させることで、新たな関係性を見出すプログラム。武蔵野美術大学が90年以上続けてきた造形教育で得た知見を最大限に活用する。
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