早稲田大学発のスタートアップ「エキュメノポリス」は、最新の生成AIが搭載された会話エージェントとの自然な会話による英語スピーキング能力診断サービス「LANGX Speaking(ラングエックス・スピーキング)」の予約販売を、5月10日に発表した。教育機関および一般機関が対象。
日本の英語教育において、英語による「コミュニケーション能力」の養成が重要視されながらも、その指導方法や評価方法、教材が十分でないことが長らく指摘されてきた。特に、他者と会話するうえで重要とされる「インタラクティブ性」「一貫性」の視点が、既存の英語能力自動判定テストでは不十分だという。
「LANGX Speaking」では、会話AIエージェントが自然なインタビューやロールプレイ対話を通して学習者の能力を引き出し、総合的なスピーキング能力の判定を行う。加えてその判断根拠や結果、次の学習課題を詳細にレポートする。会話するほどに学習者を知り、より適切なフィードバックを提供する。
例えば、エージェントが受験生の緊張感を和らげるような会話をしてリラックスした雰囲気をつくったり、会話中に相づちを打ったり、会話が詰まると別の話題に誘導し会話を展開するなど、リアルな面接に近似した体験が可能となっている。
また、エージェントとのインタラクティブな会話を通して収集した発話データを用いて、世界的な語学能力判定基準「CEFR」に準拠した、語いの豊富さ・文法的正しさ・流暢さ・発音の良さ・インタラクティブ性・一貫性の6つの側面から、受験者のスピーキング能力が自動判定され、受験者自身のレベルに加え、英語スピーキングにおける自身の強み・弱みを把握でき、以降の英語学習に役立てられる。
価格は、面談型のスピーキング能力判定テストが5000円〜2万円程度の相場であるのに対し、「LANGX Speaking」ではAIを活用することで1回2000円以下を実現している。
先行して、早稲田大学では、正規科目である英会話授業「Tutorial English」の英語能力判定テストとして2023年度から正式に採用され、年間のべ1万人以上の受講学生が使用する予定。5月10日から小中高校、大学、英会話スクールなどの教育機関、一般企業向けに予約販売が開始されており、デモアカウントの提供も開始されている。
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