EDUCOMは、同社が販売する統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」について、クラウド版の新サービス「C4thクラウドスタンダード」「C4thクラウドプレミアム」をリリースすることを、3月28日に発表した。長年、学校現場で利用される中で教員の要望を取り入れ進化してきた「C4th」の各機能が、インターネットエリアから直接利用可能となる。
全国の統合型校務支援システムは、校務の効率化に大きく寄与してきた。一方で、中央教育審議会の「令和の日本型学校教育答申」は、ICTを学校の働き方改革実現の上でも極めて大きな役割を果たしうるものと位置づけた。また、学習系システムなどに各種データが蓄積されるようになり、校務支援システムと連携した教育データ利活用の必要性も高まってきた。
しかし従来の境界分離型ネットワークでは業務を行う上で場所の制約を受けるため、教職員は軽微な校務処理であっても原則出勤を余儀なくされ、子育てや介護をはじめとする長期休業時や出張時においてテレワークなどの柔軟な働き方が実現されずにいる。また教育データ利活用の面でも、デジタル教科書などを含む学習系システムなどと、校務支援システム間での円滑なデータのやり取りに課題があった。
そこで文部科学省は、ネットワーク設計を境界分離型からゼロトラストのクラウド型セキュリティ設計へ移行し、ロケーションフリーで校務系・学習系システムへ接続可能とすることで、教職員一人ひとりの事情に合わせた柔軟で安全な働き方を実現するとともに、学習指導・学校経営の高度化を目指すとしている。
校務支援システムクラウド化のメリット
- オンプレミス型と比較して、サーバ機器の調達費用負担を抑えて導入可能。
- サーバ機器やOSなどの管理・運用をクラウドサービス提供者側が行うため、管理・運用負担が少なく済む。
- オープンなインターネットでアクセスが可能。
同社が今回リリースする「C4thクラウドスタンダード」「C4thクラウドプレミアム」では、学校現場のリアルな要望を反映させてきた「C4th」の機能と帳票を、クラウド型サービスとして利用できる。
セキュリティ面に関しては、外部から「C4thクラウド」への不正なアクセスを防御する仕組みを提供できるため、各自治体が用意する端末のセキュリティとの併用で、文部科学省が提示する「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に沿った環境作りが可能となる。
「C4thクラウドスタンダード」の価格は1校あたり月額3万8500円。なお「C4thクラウドスタンダード」で提供する各帳票は、文部科学省が提示する参考様式を中心としたもので、システムで提供可能な帳票を利用する形となる(個別カスタマイズ不可)。また学習指導要領改訂など国の指針に対応し、無償でバージョンアップを実施する。電話によるヘルプデスク対応、導入時の研修会や運用の支援についても相談できる。
「C4thクラウドプレミアム」の利用については、専用フォームからの問い合わせ、または同社の担当者への相談が必要。「C4thクラウドスタンダード」に加えて自治体のニーズに応じて追加機能を提供し、帳票もこれまで通り自治体ごとにカスタマイズできる。専用データベースを用意して提供するため、地域特性に合わせた柔軟な対応が可能。
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