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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(ICT活用)

東京都渋谷区・富山県氷見市・奈良県生駒市の首長がICT教育の実践を発表「第5回 日本ICT教育アワード」

「第6回 全国ICT教育首長サミット」「第5回 日本ICT教育アワード」表彰式レポート 第2回


 2022年11月に開催された「第5回 日本ICT教育アワード」の表彰式。同日「第6回 全国ICT教育首長サミット」も開催され、全国から先進的なICT教育に取り組む自治体の首長や教育長が一堂に会した。第5回のアワードには79の自治体から応募があり、文部科学大臣賞に東京都渋谷区の「日常的・自律的なICT 活用と教育ダッシュボードを利活用した『Well Being』を目指して」、総務大臣賞に富山県氷見市の「ICTとスクールバスを活用し、ハイブリッド型交流で小規模校のハンデを克服」、経済産業大臣賞に奈良県生駒市の「教員からのボトムアップで推進する生駒市のやわらかいICT教育改革」がそれぞれ選ばれ、表彰が行われた。今回のレポートでは、首長自らがICT教育の実践発表を行った、3自治体の取り組みを紹介する。

2023/01/13 14:21 記事公開時、生駒市長 小紫雅史氏のお名前の表記に一部誤りがございました。お詫びして訂正いたします。(編集部)

「第5回 日本ICT教育アワード」表彰式の様子
「第5回 日本ICT教育アワード」表彰式の様子

【東京都渋谷区】教育データの「ダッシュボード」で個別最適な学びを目指す

 「日常的・自律的なICT 活用と教育ダッシュボードを利活用した『Well Being』を目指して」と題した東京都渋谷区は、区長の長谷部健氏が登壇し、発表を行った。

渋谷区長 長谷部健氏
渋谷区長 長谷部健氏

 東京都渋谷区は、ファッションや文化の発信地として海外にも広く知られているが、ICT活用においては、2017年から全国に先駆けて1人1台端末を導入し、取り組みを進めてきた。

 文部科学大臣賞受賞の理由として、アワードの審査員長を務めた日本視聴覚教育協会 会長の大久保昇氏は「GIGAスクール構想以前から自治体独自でICT活用を進め、その後も着実に推進し、日本のひとつのモデルケースとなった」ことを挙げている。

 渋谷区立の小学校は18校、中学校8校あり、児童生徒数は約9000人。1人1台端末導入の3年目にあたる2020年、長谷部氏は「タブレット端末に蓄積される多種多様なデータは教員の働き方改革や指導改革、子どもの学び方改革につながるもの」として、大きな可能性を感じており、子ども一人ひとりの幸せ、Well Beingの実現に向けたデータ利活用に取り組んだ(編集部注:正式運用は2022年にスタート)。

 渋谷区が構築した教育用ダッシュボードでは、これまで紙ベースやデータでバラバラに把握していた情報を集約して可視化することで、情報の把握・整理・分析を容易にし、校務の効率化を図ることができるという。

 「クラス状況シート」では、その日の気分を表す「心の検知」や、学級集団の状態等をアンケートにより把握するhyper-QUテストの結果、欠席・遅刻、保健室来室の記録、区独自で実施している学校生活アンケートの結果、タブレット利用情報などのデータを複合的に見ることができる。「個人状況シート」では、一人ひとりの過去のアンケートの結果からの推移、サイトアクセスや危険キーワード検索の状況などの把握が可能だ。

ダッシュボードの「クラス状況シート」のイメージ
ダッシュボードの「クラス状況シート」のイメージ
「個人状況シート」のイメージ
「個人状況シート」のイメージ

 例えば、7月と10月にそれぞれ実施したアンケートで回答が大きく変化した児童生徒に着目し、検索キーワードから、当該児童生徒の興味関心を読み取ったり、体力テストのアンケート結果から生活習慣を読み取って指導に生かしたりすることができる。

 長谷部氏は「学校にアナリストを置く必要はなく、これらのデータを学校の先生が『いかに簡単に使えるようにするか』ということが大切。授業や子どもたちに接する際にサポートするツールとして、ダッシュボードを活用してほしい」と、開発の経緯を話した。

 また、現在の状況は「スモールスタート」だとして、今後も「スモールサクセス」を積み重ねて改善を図りながら、行政系データとの連携も視野に入れているという。

 さらに、長谷部氏は今後の計画として、渋谷区内の小中学校の老朽化対策である「渋谷区『新しい学校づくり』整備方針~学校施設の未来像と建て替えロードマップ~」を、2022年5月に策定したことを伝えた。2022年からの20年計画で、区内の小中学校全校の建て替えや整備を行っていくという。紹介されたイメージビデオでは、フューチャールームをはじめとした、協働的な学びや個別最適な学び、多様な学びを実現できる未来の学校のイメージが映し出された。長谷部氏は「土地の限られた渋谷区では、学校を合併しながらつくり変えていく。区民の皆さんとビジョンを共有したいという思いで、未来の学校を提示している」と話した。

渋谷区の「新しい学校づくり」
渋谷区の「新しい学校づくり」

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【富山県氷見市】小規模校のハンデをICTと対面のハイブリッドで克服する

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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