文部科学省、総務省、経済産業省を冠した賞も発表
「日本ICT教育アワード」は、全国ICT教育首長協議会が主催するコンテストで、「首長や教育長が積極的に教育ICT環境整備に取り組み、地域創生や学校活性化につながる優れた事例を顕彰するとともに、事例を広く全国に周知し、教育DXをさらに推進する」ことを目的としている。5回目の開催となる今回は9つの自治体が表彰された。
最初に、同協議会会長を務める佐賀県多久市長の横尾俊彦氏より「日本の教育にICTを活用して子どもたちの未来の可能性を伸ばし、一人ひとりの『ウェルビーイング』を高めていくために結成された」と、全国ICT教育首長協議会設立の経緯が語られた。さらに「ICTとは『I Create Tomorrow』の略、『僕が、わたしが、未来をつくる』ことでもあると私は考えている」と語り、「全国の自治体と共に切磋琢磨しながら、未来を切り開いていきたい」と伝えた。
教育に携わる省庁から来賓も参加し、文部科学省からは文部科学副大臣の簗和生氏が登壇した。簗氏は「GIGAスクール構想は、環境整備から利活用推進という段階に着実に移行した」と述べた。その上で「今後は利活用の度合いによって学習に差が生じることがないように、優れた取り組みの事例を全国的に展開・評価していくことが重要。本サミットの場を通じて、先進的なICT教育を推進している首長がそれぞれの取り組みを発展させながら意見を交換し、相互に連携協力しつつ全国的な規模で牽引していくことは、極めて意義深い」とした。
続いて、総務省からは総務大臣政務官である国光あやの氏が登壇した。
「1人の母としても、横尾会長がおっしゃったICTの『I Create Tomorrow』を感じている。総務省としても『日本ICT教育アワード』に賛同し、学校現場におけるICT環境の整備や遠隔教育、教育のICT化による地方活性化などに取り組む団体に対して、総務大臣賞を授与させていただいた。本日は受賞団体の実践事例の発表や、民間企業も参加した先進的なICT教育機器の展示があり、テクノロジーを所管する担当省庁としても非常に関心を持っている」と語った。
また、宮崎県都城市での首長経験がある経済産業大臣政務官の長峯誠氏は、「経済産業省の教育イノベーション小委員会中間とりまとめでも『外部人材を積極的に活用することの重要性』に言及している。今回、経済産業省大臣賞を受賞した奈良県生駒市は、外部からの人材を積極的に活用してICT教育を進めている。このように各自治体の事情を踏まえながら多様な成功事例をつくっていくことは、大変重要で有意義な取り組みだ」と話した。