英語を軸にした教科横断型授業を実施
東京都渋谷区広尾にある東京女学館中学校・高等学校は、2023年に創立135年を迎える私立の伝統ある女子校だ。中学からの6年間一貫教育を行っており、一般学級と国際学級を合わせて約1400人の生徒が在籍している。
ICTについては2016年度から段階的にiPadの導入をスタート。現在は全学年の生徒へ整備され、授業を中心に学校生活のさまざまな場面で活用されている。
同校では、2004年度から新たに国際教育に主軸を置いた国際学級が設置された。国際学級の授業はすべて英語で行われており、6年間で実践的な英語力や国際理解を身につけ、リーダーシップの育成を目指す。北米型「Language Arts」をベースにした授業を特徴としており、ディスカッションやプレゼンテーションなどを通して考察を深め、論理的思考力、クリティカルシンキングのスキルの育成にも注力している。
イングリッシュキャンプやボストン研修など、国際学級ならではのグローバルな行事が全学年にわたって用意され、高校2年生は毎年テーマを決めての校内模擬国連を実施するほか、英語では他教科と連携した教科横断型の授業が行われている。
今回、取材を行った高校1年生の英語の授業のテーマも「模擬国連」で、校内模擬国連を行う2年生を取材する「メディア」を担当するというものだ。それぞれの生徒がいずれか1カ国のメディアを担当し、取材対象となる国について調べた上で取材内容を考えていく。
国際学級は各学年1クラスのみだが、英語の授業は経験やレベルに即した少人数制となっており、この日は20人ほどの生徒が授業に参加していた。授業を担当しているのは、国際学級主任のクリスタル・ブルネリ教諭。アメリカの教育現場での指導経験を持ち、国際学級の設立にも携わってきたという。
生徒は、校内模擬国連のメディアとして、4つの地域に属するいずれかの国を担当する。今回は「アメリカ」「ヨーロッパ」「アフリカ・中東」「アジア・オセアニア」と4つの地域に分けられており、担当する国はくじ引きで決定された。
国が決まった後、ブルネリ教諭が「Getting to know your country」と呼びかけ、各自が担当する国について調べる時間となった。