LearnMore(ラーンモア)は、全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教員を対象に実施した、学校DXの現状と、教員の働き方調査の結果を3月29日に発表した。同調査は、2月25日~3月4日の期間に行われ、102名から有効回答を得ている。
調査対象者に、GIGAスクール構想推進のために、教員用のICT端末は配布されたかを尋ねたところ、「配布された」とする回答は83%に留まり、子どもたちには1人1台端末が整備されつつある一方で、教員用の端末整備はやや遅れていることがわかった。
端末配布前後の実感としては、以前より「よくなった」とする意見が大半を占めている。その理由としては、「授業中に選択できる指導法が増えた」「子どもからの発信など双方向の授業ができる」「図や資料などを綺麗に見せることができる」「共同編集やグループワークに活用できる」といった意見が寄せられている。
端末配布以前よりも「悪くなった」と答えた人からは、「準備が大変」「端末ロック解除やアプリのログインなど、数名の生徒が躓くと授業が止まる」「そもそも学習外利用を制限しているため、使用しない時は教室の鍵のかかるキャビネットに全員分を保管しており、使う度に取りに来る時間がかかる」「学校の通信ネットワーク環境が脆弱で一度に3クラス以上がタブレットを使用すると回線速度が激減したり、接続が遮断される」といった意見が寄せられた。
こういった理由もあってか、すべての教員が1人1台端末を毎日は利用していない、という実態が明らかになっている。
1人1台端末を毎日利用しない理由の1つとしては、教員が忙しすぎて新しいやり方を試せないという要因がある。今回の調査対象者のうち、あまりに勤務時間の長い特異者を除いた平均勤務時間は月間222時間で、所定外労働時間に換算すると63時間になり、令和元年度(2019年度)の毎月勤労統計調査結果の平均所定外労働時間(10.6時間)を大幅に上回っている。
今回の調査で実施した教員の働き方スキャニング(学校の健康診断)結果をみると、負担度が高く比較的重要度が低い、かつ業務量も大きい「事務作業」「会議・研修・打合せ」が業務改善の大きな鍵となっていることがうかがえる。
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