社会人向けオンライン生放送学習サービス「Schoo(スクー)」を運営するSchooは近畿大学とアドバイザリー契約を締結し、同大学内のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)推進を専門アドバイザーとして支援していくことを、10月16日に発表。同日にはオンラインで記者会見も開催された。
今回実施される支援の具体的な内容は、主に以下の3点。
- 教室のスタジオ化のための機材の選定や準備に関するアドバイス
- オンライン講義配信ツール・DXツールの選定における情報提供及びアドバイス
- 学内全体のDX推進に関わる管理体制の構築と運営へのアドバイス
まずは近畿大学通信教育部でオンライン化を主導し、来年4月までに教養科目のうち20科目程度を作成する。その後、外国語科目や専門科目についてもオンデマンド化を検討していく計画となっている。
Schooと近畿大学は2015年以降、通信教育部におけるタイアップ授業の制作・配信などで連携してきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって全国的に教育機関のオンライン化が急務と認識され始めた3月ごろ、改めてDX支援の提案が行われた。
同社は2014年以降、近畿大学以外にも14大学と提携し、大学教育におけるオンライン活用についてさまざまな実証実験を行ってきた。今後は、本DX推進アドバイザリー契約を皮切りに、「高等教育機関・社会人教育事業者へのDX支援事業」を本格的に開始する。専用プロダクト・ソリューションも開発中で、大学・専門学校・社会人教育事業者を中心に順次提供していく予定。
記者会見で同社の代表取締役社長CEOである森健志郎氏は、「今回の取り組みは近畿大学のためだけではない。日本の教育全体のために成功事例が必要だ」とコメントした。
また、近畿大学の通信教育部長である世耕石弘氏は、「今後は『大学のキャンパス』のあり方が大きく変わる。教養科目などの知識の習得はオンライン上で行い、教室での学びはディスカッションが中心になるだろう」とし、「すべてをオンライン化するわけではない。学生自身が学び方を自由に選択できるようになれば」と語った。
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