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オンライン外国語指導では自動音声認識システムが重要と考察

 ワールド・ファミリーバイリンガルサイエンス研究所は、オンライン化が特に困難と思われる発音指導に注目し、オンライン外国語指導のあり方についての考察を、9月25日に発表した。

 同考察では、話している人の顔の表情や口の動きといった、視覚情報が聞き取りやすさに影響するのと同様に、教師が発音する際に口の形を同時に見せることが、外国語の発音指導にも効果があると述べている。

 こういった考え方は、音声学の理論の1つである「マガーク理論(McGurk Effect)」でも提唱される。理論を提唱したMcGurkは、「ba」「ga」「pa」「ka」の4つの音を発音する様子を録画して、音声と映像を切り分けた上で以下のように合成した刺激を作成し、それに対する反応を検証した。

発音表

 検証の結果、音声が「ba」で発音する口の映像が「ga」の場合、「ba」でも「ga」でもなく「da」を聞いた人の割合がもっとも高く、聴覚が視覚の影響を受けて音声の近くが変化していたことが明らかになっている。

 これらを踏まえると、外国語の音は視覚情報とともに聴いた方が習得に効果的であるといえる。

 また、英語には10を超える母音が存在するため、英語では異なる音である「father」と「mother」が、日本語では「ファーザー」「マザー」と同じ「ア」の音に書き起こされるが、ウェスタンシドニー大学のCATHERINE BEST教授によれば、英語の音のカテゴリーを認識せずに母音の音を知覚することが、正しい英語の発音の習得を妨げるという。

 同考察では、このような間違いの矯正には、教師による発音矯正などのフィードバックが不可欠であり、中高生以上なら以下のような母音表を見せながら指導することが効果的であると指摘する。口の開きの度合いや舌の位置を意識しながら、正しい音を聴いたり自身の発音を確認したりを何度も繰り返すことによって、発音が改善する場合があるという。

口蓋イメージ

 最終的に、同考察では「音を聴く際の視覚情報」はオンライン環境でも再現が可能であり、「発音練習時の教師によるフィードバック」に代わるものとしては自動音声認識システムが利用できると述べている。

 自動音声認識システムは、現段階では未だ開発の余地はあるものの、現在提供されているオンライン発音矯正システムの中には、口の形などに関する明示的なフィードバックを与えてくれるものも存在するという。

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https://edtechzine.jp/article/detail/4487 2020/09/28 15:35

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