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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

つくることで学ぶ「STEM教育」のはなし

ライブ授業と動画収録、どちらを選ぶ? STEMスクールに突然やってきた、オンライン教育への対応

つくることで学ぶ「STEM教育」のはなし 番外編

 新型コロナウイルスによる自粛要請によって、民間の教育事業者にも大きな影響が出ています。「リアルな場」だからこそできる学びを提供してきたSTEM教育スクール「ステモン」もそのひとつです。私たちは教室が閉鎖される中、スピード感を持ってオンライン化へ踏み切りました。どういった形でオンライン教育を提供するのがベストなのか? その試行錯誤の模様をお伝えします。

はじめに

 緊急事態宣言の4月7日以降、多くの民間教育事業者が苦境に立たされています。特に中小規模の教室は厳しい状況です。教室での授業や、ワークショップ・イベントを開催することができません。これによってサービスの継続、さらには会社の存続自体に黄色信号が出ています。当社もその1社です。

 そんな中、各教室が取り組んでいるのがオンライン化です。学習塾もピアノ教室も英会話も、ZoomやSkypeを使ってレッスンをしたり、YouTubeで動画配信をしたりしています。

ステモンもオンラインレッスンを急遽スタート

 当社が運営する教室「ステモン」も、4月6日にオンラインチームを立ち上げ、4月13日からオンラインレッスンに変更しました。

 ステモンは、STEM教育の領域を「つくることで学ぶ」教室で、2013年10月から運営しています。このステモンの最大の魅力は、「コミュニティ=子どもたちがワクワクする居場所」です。

「つくることで学ぶ」ことがSTEM教育の醍醐味
「つくることで学ぶ」ことがSTEM教育の醍醐味

 教室という同じ空間でワイワイやりながら同じテーマのものづくりを楽しむ。そして出来上がったものはみんな違う。まさに、みんな違ってみんないい。子どもたちはこれを体感しながらSTEMを学ぶことができます。これが、ステモン最大の特徴です。

オンラインをやらない選択肢はない

 このようなステモンの魅力を「オンラインレッスンで生かすことができるのか?」と困惑しました。

 しかし、

  1. 3月2日以降続く休校で学びが停滞している子どもたちのため
  2. 子どもに楽しく夢中になる活動をさせてあげたいけど、どうしたら良いかわからないという保護者のため
  3. サービス存続(会社と社員を守る)のため

にも挑戦するしかありません。

 4月6日、荻窪本校を拠点に社員7名のオンラインチームを編成して取り組むことにしました。

「ライブ双方向」か「動画配信」か

 まず考えたことは、Zoomなどを使った「ライブ双方向型」と、「動画配信型」のどちらにするかです。それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。

ライブ双方型レッスン

メリット
  • みんなで一緒にレッスンをやっている感覚になれる。
  • 子どもがその場で質問できる。
  • リアルな教室ほどではないが、講師も子どもたちの状況を確認しながら声をかけられる。
デメリット
  • 講師に対して子どもの人数が増え過ぎると、丁寧な個別対応が難しい(講師1人に対して子どもが6人を超えると厳しい)。
  • インターネット環境やパソコン機器のトラブル発生時、レッスンを続けられなくなる。

動画配信型レッスン

メリット
  • 子どもが自分のペースでじっくり取り組むことができる。
  • 聞き逃したところを何度でも聞き直せる。
  • 都合の良い時間に視聴できる。
  • 講師としては、ライブよりも伝えたいことを丁寧に伝えやすい。
デメリット
  • 子どもがその場で質問できないため、質問を受け付ける別の手段が必要。
  • ライブ以上に、言葉の定義やスライドなどに気を使う。
  • 撮影や編集など、動画の作成に手間がかかる。

 ステモンはフランチャイズを含めると、全国に80教室ほどあります。一部の教室はライブ双方向型レッスンを行っていますが、都内を中心とした大半の教室では動画配信型レッスンを選択しました。

 理由は、じっくり自分のペースで動画を見て学んでもらえるのと、ライブ双方向型で実施した際のトラブルがどうしても発生してしまうだろうと思ったためです。

 私は東京都と大阪市のプログラミング教育推進事業者として2017年から2019年にかけて3年間、多くの公立小学校のプログラミング教育に関わらせていただきました。

 その際、授業公開や研究発表などを先生たちと一緒に取り組みましたが、機器トラブルに何度も悩まされました。一部の児童のパソコンに不具合が発生すると授業が進まないのです。

 これと似たことがライブ双方向型で実施した際に起こるだろうと考え、ご家庭ごとのペースでできる動画配信型にしました。

次のページ
レッスン動画の内容は教室のカテゴリーによってさまざま

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この記事の著者

中村 一彰(株式会社ヴィリング)(ナカムラ カズアキ)

 株式会社ヴィリング 代表取締役。  教育学部を卒業後、大手とベンチャーの2社に勤務したのち、教育事業を行う株式会社ヴィリングを2012年に創業。STEAM教育スクール「STEMON(ステモン)」、放課後等サービス向け療育教材「すてむぼっくす」、発達障害AIアセスメント「co-mii」、バイリ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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