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教育現場でのICT活用事例紹介(小学校)

わずか1週間で卒業式のオンライン配信を実現――選択肢を持ち、困難を協業で乗り換えるさまを体現して見せた立命館小学校


 立命館小学校(京都府京都市・私立)は3月14日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ臨時休校要請の状況が続くなか、保険衛生上の安全面を配慮し、インターネットの映像配信を活用した卒業式を実施した。

 会場には卒業生および教職員のみが集い、保護者やその親戚はMicrosoft Teamsを活用したライブ配信で、その模様を見守った。参加した卒業生は留学中の2名を除く108名。当日は、端末ベースで約220名が視聴したという。

 同校は、教育界のノーベル賞とも呼ばれる「グローバルティーチャー賞」に、昨年トップ10ファイナリストの一人としてノミネートされた正頭英和(しょうとう・ひでかず)教諭が所属していることでも知られている。

卒業式の会場の様子(写真提供:日本マイクロソフト)
卒業式の会場の様子(写真提供:日本マイクロソフト)

卒業式のオンライン配信は、どのように行われたのか

 ライブ配信には、Microsoft Teamsの「Teamsライブイベント」機能が利用された。この機能を利用すると、主催者が参加用のURLを発行するだけで、アカウントやライセンスを持っていないユーザーでもログインせずに、PC上のWebブラウザやモバイル端末のTeamsアプリからイベントをライブ視聴することができる。

 オンライン会議を目的とした「Teams会議」のように双方向のコミュニケーションは行えないが、最大1万人まで参加することができ(Teams会議では250名まで)、Q&Aのチャット機能なども用意されている(今回の卒業式ではチャット機能は不使用)。

 Teamsライブイベントの利用には、教育機関向けでは「Office 365 A3/A5」のライセンスが必要になるが、立命館小学校では、Office 365を導入済みだったため、そのライセンス内で利用することができた。なお、2020年3月現在は、休校期間中に遠隔授業を行えるようにOffice 365 A5が6か月間無償提供されているので、ライセンスを未所有の教育機関でも試すことができる。

 Teamsライブイベントの主催者は、参加者に対し「特定の人のみ/組織内のみ/誰でも」と、さまざまなアクセス許可の設定を行える。誰でも(パブリック)に設定すれば、サインインも不要となるため、今回はこの設定が利用され、視聴URLを関係者に限定して配布する形で実施された。

 また、今回、日本マイクロソフトは、動画配信用のカメラやSurfaceといった機材、配信スタッフ、配信ノウハウの支援を行った。

動画配信機材の様子(写真提供:日本マイクロソフト)
動画配信機材の様子(写真提供:日本マイクロソフト)

相談から、たった1週間で卒業式のオンライン配信を実現

 実施に至る流れは次のようなものだったという。

 3月6日(金)に、日本マイクロソフトから立命館小学校に、経済産業省の「#学びを止めない未来の教室」施策の一環として提供している「Microsoft Teamsでライブイベント」のプランが紹介された。

 9日(月)には、学校より日本マイクロソフトに実施を依頼。Teamsのプロジェクト管理機能(チャットやWeb会議)やメールを使って両者間で準備が進められ、式前日の13日(金)に設営準備を行い、14日(土)の本番を迎えた形となる。都合、「実施の相談から開催まで1週間」というスピード感でプロジェクトが進行したことになる。

 ライブ配信に利用されたカメラは、会場後方の上方から全体を映す1台と、ステージ上の2台だという。

 映像品質はいくつか選択することができ、最高画質はHD画質(解像度1280×720ピクセル(720p)/1.7Mbps)だった。昨今の動画を見慣れていると少し物足りないかもしれないが、スマホでも無理なく再生でき、学校側の回線の帯域が潤沢ではなくても実施できそうだ。また、音声はクリアだったため、視聴体験としては満足のいくものだったと思う。

 特に、卒業証書授与の様子は、ステージ後方からのアングルで、児童の顔まで視認できたため、通常のように、会場後方からご家庭でビデオカメラで撮影するのとは異なった、臨場感が得られたのではないだろうか。また、親戚が遠方だったり、当日都合がつかなかったりする際にも手軽に視聴できる点も魅力だろう。

ライブ配信前の様子
ライブ配信前の様子

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選択肢を多く持ち、さまざまな人と協業しながら困難を乗り越えるさまを体現した立命館小学校

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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