ICTを活用した授業のメリット、効果的な機器とは?
ICTを使った授業とそうでない授業の差は何でしょうか。
授業のテンポが圧倒的に良くなります。
PowerPointを使用した授業であれば、板書の必要がないため、生徒はただ黒板に文字が書き出されるのを待っている時間がなくなります。
また、G SuiteでGoogle Classroomなどを使用しながら授業を実施すると、学校と家との垣根が取り払われ、いつでもどこでも学習することが可能になります。
これらはICT活用ならではのことでしょう。また、同じ内容の授業であっても、ICTを絡めるだけで興味が湧く生徒もいます。ぜひ、実際に使用して効果を確かめていただきたいです。
ICTを使うと、どのような場面でメリットがあると感じていますか?
授業時間の有効利用という点が第一に挙げられます。先ほどの質問の中でも答えましたが、テンポが圧倒的に良くなり、授業がスムーズに進んでいきます。
また、教員が黒板の方を向き、生徒を見ない時間が大きく減ります。生徒は「常に先生に見られている」という、ほど良い緊張感を持ちながら授業を受けられているのではないでしょうか。
また教員にとっても、授業中の生徒の様子を長い時間観察することができるので、生徒の実態が把握しやすくなります。授業中にどのくらいノートを取っているか、理解はできているかなど、リアルタイムで確認する時間は、授業を改善する上で一番大切なことだと考えます。
これまで使用したICT機器の中で、一番効果的だったものを教えてください。
スライド資料や動画資料を投影するプロジェクターでしょう。もちろんGoogle Classroomなどを使った資料の共有など、どこでも学習できる環境の整備はとても意味のあることです。ですがやはり「教員は授業で勝負」の言葉通り、授業内で活躍する機器が一番効果的だと感じています。
プロジェクターは日々の授業の中で毎回使用しますし、最近は教育系の動画資料も数多く出回るようになりました。例えば、本連載の第3回でも紹介した「NHK for School」や「NHK高校講座」などの利用もオススメします。
PowerPointの資料作成に、どれくらい時間をかけますか? また、資料を作る際に参考にしたオススメのWebサイトなどがあったら教えてください。
資料の作成時間は、50分授業でしたら30分くらいでしょうか? それ以上はかけないように努力しています。作り込めば、いくらでも時間をかけられますが、授業は毎日あるため、かなりの負担となります。
また私の場合は、Webサイトや実践事例本を見て作りあげたわけではなく、先進校視察に行ったり、実践事例を見たりして、イメージを膨らませていました(当時はそこまで詳しいものがなかった気がします)。そのイメージに合ったものをどう作成していくかを考え、必要なPowerPointの技術などを調べる流れです。視察したのは東京学芸大学附属高校、奈良女子大学附属中等教育学校の公開授業です。
作り始めた当初は、文字の大きさや背景の色、さまざまな座席からの見え方など、生徒から意見を聞きながら作成していました。