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ゼロから始めてここまでできる! 公立高校でのICT教育実践

AIで採点業務を効率化して感じたこと――ユニークなプロジェクターも紹介

ゼロから始めてここまでできる! 公立高校でのICT教育実践 第12回


 本連載では公立高校の教員である筆者が、非モデル校においてゼロからICTを活用した授業に取り組んだ際の知見と事例をお伝えします。今回は、負荷が高いテストの採点業務をAIを使用し効率化した事例と、ユニークな機能を持ったプロジェクターをご紹介します。

教育分野にも活用が広がるAI

 AIと聞いて「え?何それ?」と言う人はもういないのではないでしょうか。Society 5.0の時代にとっては必要不可欠なものと言えるでしょう。私はそのAIを教育にも利用していきたいと考えています。

 AI(Artificial intelligence)は、日本語で人工知能と訳され、教育に役立てようという議論がさまざまなところで行われています。例えば、生徒が間違えやすい問題をデジタル教材で何回も繰り返し出題したり、生徒の質問にリアルタイムで答えることができたりと、多くのメリットが考えられます。

 もちろん教員が一人ひとりの生徒に向き合っていけば、AIと同じようなことはできるという意見もあるでしょう。しかしながら、それを実践するための時間が取れないのも事実です。1クラスに40人いたとして、1人に1時間の時間をかけたとします。すると、40時間の時間を要します。教員の仕事は多岐にわたり、授業だけやっていればいいというわけではないため、現実的ではありません。これからの教育は、AIに頼る部分と、教員自身がやらないといけない部分にわけて考え、仕事をしていく必要があると考えます。

 AIは、生徒にとってだけではなく、教員にとっても救世主になる可能性を秘めています。昨今、日本全国で呼びかけられている働き方改革に一役買ってくれることは間違いないでしょう。

 ではそのAIをどのように利用していくのか。その一端をご紹介します。

教員負荷が高い定期テストの採点

 教員は、毎回の定期テストの問題を作成し、生徒の答案が戻ってきたら採点をする。基本的には、この繰り返しだと思います。毎年同じ教材を扱うわけでもなければ、受け持っている生徒も異なるため、テストを毎回使いまわすわけにはいきません。

 生徒からは「先生はテスト期間中、授業がないから暇だよね」なんて言われることがありますが、そんなことはありません。例えば5クラスの授業を持っているとしましょう。仮に高校1年生2クラス、2年生1クラス、3年生文型1クラス、理系1クラスとします。この場合(3年生は文理で進度が異なるといったことがあるため)4種類のテストと問題を作成し、答案は200枚(40人×5クラス)返ってきます。答案1枚が50問あったと仮定すると、1万回○×をつけなければなりません。想像するとぞっとします。選択肢の問題であればまだ採点はしやすいのですが、文章で答える問題になると、それを読み解答が合っているかどうかを判断するため、かなりの時間を要します。また採点の途中で、採点の基準がぶれることもあります。そうするともう一度採点の見直しを行わなければなりません。

 そのため、採点に苦手意識がある教員も多いのではないでしょうか。実は私もその1人で、問題の作成中は生徒のことを思い浮かべながらじっくり取り組めるのですが、採点中はそうもいきません。なぜならば、テスト後の授業で返却しなくてはならないため、時間との勝負なのです。

次のページ
AIで採点業務を効率化してみる

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この記事の著者

浅見 和寿(アサミ カズトシ)

 国語科教員として、公立高校に11年間勤務。元・東京成徳大学非常勤講師。学事出版教育文化賞 優秀賞、旺文社 学びを変える!未来の「学参」企画大賞 敢闘賞等多数受賞。積極的にICT機器を活用し、効果的な授業方法、教員の働き方について研究している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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