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身振り手振りで演奏する楽器アプリ「KAGURA」を使った新しい学び!「未来の先生展」の会場全体を巻き込んだワークショップ

「未来の先生展2019」プログラム「ICT×Creative×Education! 新しい学びを体験しよう!Vol.2 ~楽器アプリで驚きの仕掛けをつくりだせ!~」レポート

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2019/11/07 07:00

 9月14日と15日の2日間、明治大学の駿河台キャンパス リバティタワーで「未来の先生展2019」が開催された。「つながる・ひろがる・うまれる」をキャッチフレーズに、教育関係者や保護者、学生などが参加し、講演会や事例紹介、ワークショップをはじめとした多数のプログラムを楽しんだ。総プログラム数は200を超え、2日間かけても回りきれない規模だったが、その中で興味深かったものをご紹介していく。本稿では「SOZO.Ed」による体験型ワークショップ「ICT×Creative×Education! 新しい学びを体験しよう!Vol.2 ~楽器アプリで驚きの仕掛けをつくりだせ!~」をレポートする。

「SOZO.Ed」は学校の垣根を越えて、「ICT」「Creative」「Education」をキーワードに新しい学びを考えて実践していく先生のグループだ。
「SOZO.Ed」は学校の垣根を越えて、「ICT」「Creative」「Education」をキーワードに新しい学びを考えて実践していく先生のグループだ。
代表である東京都立石神井特別支援学校の海老沢穣教諭が、SOZO.Edの活動趣旨や各地で開催しているワークショップなどの取り組みを紹介した。
代表である東京都立石神井特別支援学校の海老沢穣教諭が、SOZO.Edの活動趣旨や各地で開催しているワークショップなどの取り組みを紹介した。

からだの動きで音を奏でるAR楽器「KAGURA」

 このワークショップではノートパソコンにインストールされた楽器アプリ「KAGURA」を使い、参加者がさまざまな仕掛けを作りだす体験を行った。

 KAGURAは福岡県の企業、しくみデザインが開発したAR音楽ソフトだ。KAGURAの画面にサウンドを設定したアイコンを配置し、パソコンのWebカメラで演奏者の体の動きをリアルタイムに解析して演奏を行う。さまざまな楽器の音を設定して複雑な曲を作ったり、音声を録音したりしてサウンドアイコンに設定することも可能。最大の特徴は、ピアノなどの楽器と異なり、演奏技術がない人でも簡単にオリジナルの音楽を演奏できることだ。

しくみデザイン代表取締役の中村俊介氏がKAGURA開発のエピソードを披露。独学でプログラミングを学んだ中村氏は、15年かけてKAGURAを作りだした。そのきっかけとして、「楽器の演奏技術がなくても、自由に音楽を演奏できるソフトを作りたかったのです」と語った。
しくみデザイン代表取締役の中村俊介氏がKAGURA開発のエピソードを披露。独学でプログラミングを学んだ中村氏は、15年かけてKAGURAを作りだした。そのきっかけとして、「楽器の演奏技術がなくても、自由に音楽を演奏できるソフトを作りたかったのです」と語った。

 ワークショップのファシリテーターは、SOZO.Edの副代表を務める東京都府中市立府中第三小学校の山内佑輔教諭が担当。これまでにも自由な発想で新しい学びを実践してきた山内教諭ならではの、ユニークなワークショップとなった。

ロボットを使った図工の授業など、既存の概念にとらわれない授業を実践している山内教諭。
ロボットを使った図工の授業など、既存の概念にとらわれない授業を実践している山内教諭。

「今日は楽器として使いません!」

 山内教諭はワークショップの冒頭で「今日は、KAGURAを楽器として使いません!」と宣言。さらに「ワークショップは、この教室から飛び出して行います」と話し、今回の目的を明らかにした。

 なんと、ノートパソコン内蔵のWebカメラで目の前の人などを検知するKAGURAのシステムを使い、会場の好きな場所に「音の仕掛け」を設置するというのだ。例えば「廊下に置いて、人が通ったら音楽を鳴らす」「ドアの前に置いて、来た人に対して音声データを流す」など、「通る人が驚く仕掛けを作ってみよう」というKAGURAならではのおもしろい仕掛けを考えるお題が出された。

 山内教諭は、自身が受け持つ図工の授業でもKAGURAを活用したという。「5年生の図工の『空間づくり』で同じようにKAGURAを使ってみたところ、校舎内がアトラクションのようになりました(笑)テープをくぐると音楽が流れたり、絵をタッチするとサウンドが出たり……さまざまな仕掛けを作り、子どもたちは大喜びで楽しんでいました。今度は6年生で挑戦してみます!」と笑顔で話した。

 参加者は2人でペアを組み、まずは教室でKAGURAを使って仕掛けを考える。早速音声を入れるチームもあれば、さまざまなアイコンを並べるチームもあり、見ているだけでも非常に興味深い。

KAGURAの画面。楽器の音色や動物の鳴き声、爆発音などの多種多様な効果音が用意されている。音の長さも調整可能なので、工夫次第ではノートパソコン1台で、非常に深い音色や複雑なサウンドを設定し、演奏することができる。 KAGURAの画面。楽器の音色や動物の鳴き声、爆発音などの多種多様な効果音が用意されている。音の長さも調整可能なので、工夫次第ではノートパソコン1台で、非常に深い音色や複雑なサウンドを設定し、演奏することができる。
KAGURAの画面。楽器の音色や動物の鳴き声、爆発音などの多種多様な効果音が用意されている。音の長さも調整可能なので、工夫次第ではノートパソコン1台で、非常に深い音色や複雑なサウンドを設定し、演奏することができる。

 作業としては、まず音を決めてアイコンを並べる。次に、実際にカメラに向かって手をかざすなどして、どのように音が出るかを確認する。パソコンをどこに置き、どんな音を出すのかによって、仕掛けの内容も異なってくる。

 今回の参加者は小学校や高校などの現場の先生も多かったが、中には中学生や高校生など、現役の生徒も参加していた。印象的だったのは、みんなとても楽しそうに画面に向かっていたことだ。

チームによってアイコンの並べ方もさまざま。KAGURAには、特に決まった正解というものはないので、同じソフトを使っていても作った人の趣味や個性がはっきり出る点がおもしろい。 チームによってアイコンの並べ方もさまざま。KAGURAには、特に決まった正解というものはないので、同じソフトを使っていても作った人の趣味や個性がはっきり出る点がおもしろい。
チームによってアイコンの並べ方もさまざま。KAGURAには、特に決まった正解というものはないので、同じソフトを使っていても作った人の趣味や個性がはっきり出る点がおもしろい。

 ワークショップの後半に差し掛かると、仕掛けの準備ができたチームから次々と教室の外へ出て、仕掛けを設置し始めた。エスカレーターや自動販売機の前だけでなく、なんと中学生チームは「エレベーター内に椅子を置き、設置する仕掛け」を組んでいた。

会場のさまざまな場所に、ノートパソコンが次々と設置されていった。
会場のさまざまな場所に、ノートパソコンが次々と設置されていった。

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著者プロフィール

  • 相川 いずみ(アイカワ イズミ)

     教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

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