富士ソフトは、同社の教育メタバース「FAMcampus」を活用した不登校支援パッケージによる、愛知県名古屋市の不登校支援実証事業が、2年目の取り組みを開始したことを、9月17日に発表した。名古屋市立小中学校の、家から出にくかったり、家族以外とのつながりを持ちにくかったりする子どもへの安心できる居場所の提供に加え、家の外の環境や家族以外の人に関心を持てるきっかけづくりにつながる新たな取り組みを実証する。

文部科学省の「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、2023年度の小・中学校における不登校児童生徒数は34万6482人で過去最多となり、11年連続で増加している。文部科学省は「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」や「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」を取りまとめるなど、不登校支援は依然として重要な課題となっている。
富士ソフトは、2022年にFAMcampusの提供を開始し、不登校支援における活用に取り組んできた。不登校支援をスムーズかつ効果的に運営するために欠かせないメタバース空間、カリキュラム、講師、不登校支援専門員の4要素を「不登校支援パッケージ」として提供している。
今回、FAMcampusを活用した不登校支援パッケージによる、名古屋市の不登校支援実証事業が2年目の取り組みを開始した。2023年度の名古屋市内の小・中学校における不登校児童生徒数は、5888人に上る(Nagoya HEART Plan調べ)。同事業では、名古屋市立小中学校の、学校内外の機関等による相談・指導を受けていない不登校児童生徒に対し、学習・交流・相談が可能な安心できる居場所を提供し、子どもたちの社会的自立を支援する。
また、2025年度からの新たな取り組みとして、よりリアルなオンライン授業と「展示会」を実施する。よりリアルなオンライン授業では子どもたちが外の世界に関心を向けられるよう、また、地域学習の一環としても機能するよう、リアルな現場と中継をつなぎながら、理科の実験や地域の植物観察等を行う予定である。「展示会」では授業での成果物や、夏休み中の思い出の写真などを、FAMcampus内のギャラリーに展示する。自己表現の場として、また、他者へ関心を持ち子どもたち同士の交流を生み出す場として機能することを目指す。
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