デジタルアーツは、千葉県柏市教育委員会が同社のWebセキュリティ製品「i-FILTER@Cloud GIGAスクール版」を採用・導入した事例について、7月24日に同社のWebサイトにて公開した。
「i-FILTER@Cloud GIGAスクール版」は、クラウドの学校向けWebセキュリティ製品。有害情報や学習に無関係なWebサイトの閲覧をブロックするWebフィルタリングに加えて、ネットいじめに発展する発言を防いで児童生徒のSOSを察知する機能や、端末の長時間利用を防ぐ機能といった、重大事故防止や学習に役立つ機能を備えている。

柏市は、1987年に田中北小学校で47台のコンピュータを導入するなど、全国でもいち早く教育現場でのICT活用に踏み出した自治体のひとつ。GIGAスクール構想の以前から教員に1人1台の校務・学習兼用端末を整備し、統合型校務支援システムを導入するなど、ICTを活用した環境を着実に構築してきた。
現在は、小学1・2年生には直感的な操作が可能なiPad、小学3年生〜中学3年生にはセキュリティ対策やクラウド活用を考慮したChromebook、校務用端末にはWindowsと、3つのOSが混在した活用を行っている。利用台数としては、GIGAスクール端末の児童生徒用が3万3000台、教員用が2000台、教職員用の校務端末が2300台となる。
2021年のGIGAスクール開始当初、同市は予算の関係からコストパフォーマンスを重視し別のセキュリティ製品を使用していた。しかし、2023年4月以降はファイアウォールの構築をはじめ、それぞれの端末にもセキュリティ製品の導入が必要だったことから、「i-FILTER@Cloud GIGAスクール版」への乗り換えを決定した。
同市では、教育研究専門アドバイザー、システム設計および構築を担当したSEとICT支援員を含む、計5名体制で端末の管理・運用を行っている。フィルタリングのルール設定は、小学生用のiPad、小学生用のChromebook、中学生用のChromebook、校務用のWindowsと、利用者の年代や端末の種類によって使い分けているほか、Webサービス制御や利用状況可視化機能も利用する。
フィルタリングでは、外部ストレージへの柏市側のデータアップロードは制限しつつも、外部からの受け取りは許可するといった、用途に応じてサービスの利用レベルを設定。それとともに、生成AIやSNSは利用者の年齢によって活用の有無を決めているという。
導入後、管理画面の使用感について「UIもわかりやすく、学校からのフィルタリング解除申請にも即時対応ができています」という感想があった。さらに、導入時は想定外だったプラスの影響として、「『利用状況の可視化機能』が追加され、多様な利用状況の把握が可能になったことです。この部分はGIGAスクール構想第2期で政府から求められる必須条件なので、追加のコストを掛けずに対応できることはありがたいです。今後はこの機能を活用し、把握・分析を強化することで、児童生徒の利用傾向を捉えた指導を行っていきたいです」という声も寄せられた。
なお、今回の導入におけるシステム構築と運用および全体のプロジェクトマネジメントの受託は、内田洋行が担当した。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア