プレマシードは、コロナ禍の際に小・中・高校生だった人と大学生以上だった人の計600名を対象に実施した、「コロナ禍の学齢別不登校経験とその理由に関する調査」の結果を5月21日に発表した。同調査は、4月8日〜17日の期間に行われている。
調査対象者に、これまでに「学校に行きたくない」と思った理由を尋ねたところ(複数回答)、不登校経験がある人では「ストレスによる体調やメンタルの不調」「いじめを除く友人関係」「不安・気分の落ち込み」が上位を占めた。コロナ禍の学齢不登校経験別でみても、小・中・高校生/不登校経験ありは「ストレスによる体調やメンタルの不調」が特に高く、55.0%に達している。一方で、大学生以上/不登校経験ありでは「いじめ」「いじめを除く友人関係」「不安・気分の落ち込み」が上位となり、小・中・高校生との違いが明らかになった。

「学校に行きたくない」と思った経験がある人に、その時期を尋ねた質問では、「中学2年生時」(19.9%)がもっとも多く、以下「中学1年生時」(13.2%)、「高校2年生時」(11.6%)、「高校1年生時」(10.9%)が続いている。

すべての調査対象者に、登校スタイルや授業の受け方に関する経験を尋ねたところ、不登校の定義である「病気以外の理由で、1年間に30日以上学校を休んだことがある」は23.5%、「病気以外の理由で、1週間以上連続して学校を休んだことがある」が23.2%だった。また、「教室で授業には参加するが、内心『学校に行きたくない』『つらい』『嫌だ』と感じていた」は、半数に達している。

「学校に行きたくない」と思った経験がある人に、その際に相談した相手を尋ねた質問(複数回答)では、コロナ禍における学齢不登校経験別でみると、大学生以上/不登校経験ありは「母親」(64.9%)が他を大きく引き離して最多となり、「スクールカウンセラー」(28.1%)、「父親」(26.3%)がそれに続いた。一方、小・中・高校生/不登校経験ありでは、相談相手が分散している傾向がある。

「病気以外の理由で、1年間に30日以上学校を休んだことがある」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、小・中・高校生/不登校経験ありでは「ストレスによる体調やメンタルの不調」、大学生以上/不登校経験ありでは「いじめ」がもっとも多かった。

同じく、「病気以外の理由で、1年間に30日以上学校を休んだことがある」と答えた人に、学校を休んでいる期間の過ごし方を尋ねた質問(複数回答)では、「自宅でゆっくり休む」(91.5%)が最多となり、以下「テレビ視聴」(83.7%)、「インターネット・ゲーム・動画視聴など」(71.6%)が続いている。コロナ禍の学齢不登校経験別でみると、小・中・高校生/不登校経験ありでは「SNS」が75.0%と全体の割合を大きく上回った。また、「学校の授業に沿った学習を進める」「自分に必要な勉強の学習を進める」「将来のことについて考える」「カウンセリングを受ける」といった前向きな行動も多い。


同じく、「病気以外の理由で、1年間に30日以上学校を休んだことがある」と答えた人に、不登校だったことに引け目を感じることがあるかを尋ねたところ、「引け目を感じることがある」という回答が76.6%を占めた。コロナ禍の学齢不登校経験別でみると、小・中・高校生の割合が高い。

すべての調査対象者に、不登校になった場合にその後復学(休んでいた学校へ復帰)するべきだと思うかを尋ねた質問では、「どちらともいえない」(48.7%)がもっとも多く、「わからない」(25.3%)、「復学するべきだと思う」(13.3%)、「復学するべきではないと思う」(12.7%)がそれに続いた。コロナ禍の学齢不登校経験別でみると、小・中・高校生/不登校経験ありの「復学するべきだと思う」が22.5%となり、他を大きく上回っている。

学校へ通えなくなった場合、復学(休んでいた学校へ復帰)ではなく、通信制高校やフリースクールへ通うなどの環境を変えることについての意見を尋ねたところ、「とてもよいと思う」(22.0%)と「よいと思う」(46.0%)を合わせた割合が68.0%となった。コロナ禍の学齢不登校経験別でみると、小・中・高校生/不登校経験ありでは「とてもよいと思う」と「よいと思う」を合わせた割合が80.0%に達している。

すべての調査対象者に、復学(休んでいた学校へ復帰)をせずに、通信制高校やフリースクールなどで学ぶことは不登校の解決になっていると思うかを尋ねた質問では、「なっている」が70.7%を占めた。コロナ禍の学齢不登校経験別でみると、小・中・高校生/不登校経験ありでは「なっている」が86.3%に達した。

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