ポケトークは、教育現場における「言葉の壁をなくす」新製品として「ポケトーク for スクール」の販売を開始したことを、3月5日に発表した。

「ポケトーク for スクール」は、専用端末を必要としないブラウザ型の教育機関向けサービス。教員がマイクに向かって話すだけで、全75言語のうち選択した言語での通訳・翻訳が、児童生徒のパソコンやタブレットにリアルタイムで表示される。AI通訳機「ポケトーク S2(端末)」と組み合わせて活用することで、児童生徒の日常や学校生活もサポートする。
日本全国に在籍する外国人児童生徒の数は年々増加しており、文部科学省の最新データ(令和5年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査)によると、2023年度時点で、日本語指導が必要な児童生徒の数は6万9123人に達し、前回調査(2021年度)から18.6%増加している。このうち、外国籍の児童生徒は21.2%増加しており、加えて日本国籍でありながら日本語を母語としない児童生徒は6.7%増加している。
背景には在留外国人数の増加があると考えられ、教育現場では「言葉の壁」が深刻な課題となっている。特に、十分な日本語指導を受けられない児童生徒が授業内容を理解できず、学習の遅れや孤立を招くケースも報告されている。文部科学省の調査によれば、日本語指導が必要な義務教育段階の児童生徒のうち約15%が「指導を受けられていない」と回答している。要因としては、多言語対応ができる指導者の不足や、多言語対応の教材整備が万全ではないことがあげられる。
これらの課題に対し同社は「教育現場における『言葉の壁』」に着目し、「ポケトーク for スクール」の正式な販売を開始することとした。
昨年6月の神戸市教育委員会に続き、姫路市教育委員会でも「ポケトーク for スクール」が導入され、実際に同サービスを利用した神戸市の児童生徒からは「授業の内容が以前よりも理解できるようになった」という声があがるとともに、教員側も「自動で翻訳されるので、授業が進めやすくなった」と、双方にとってより充実した教育環境の整備に寄与している。

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