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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート

令和5年度、中学校では15人に1人が不登校に──教育の機会をどう確保する?

不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート 第5回

 2024年10月31日、「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)が発表されました。小中学校における不登校児童生徒数は34万6482人(前年度は29万9048人、15.9%増)で、11年連続の増加となりました。コロナ禍が落ち着き、社会が対面コミュニケーショにシフトしつつある今こそ、不登校児童生徒も含めた教育の機会均等のあり方を考えるときではないでしょうか。本稿では、令和5年度調査の中身を紐解き、教育関係者・保護者はどう受け止め、不登校児童生徒と向き合っていけばよいのかについて、筆者自身も小中学校時代に不登校を経験し、その経験をきっかけに不登校や中退の研究を行っている立場から述べていきます。

※本記事の図表(図1~5および表1)は、すべて文部科学省(2024)「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」をもとに筆者が作成

中学校では15人に1人が不登校に

 まず、文部科学省の長期の調査データを用い、平成3年以降の小学校・中学校における不登校児童数の推移を見ていきます。

図1:小学校・中学校における不登校児童数の推移
図1:小学校・中学校における不登校児童数の推移
図2:(千人あたり)小学校・中学校における不登校児童数の推移
図2:(千人あたり)小学校・中学校における不登校児童数の推移

 次に、直近3年間の学年別の不登校児童数の推移のグラフを示します。

図3:学年別不登校児童数の推移
図3:学年別不登校児童数の推移
図4:不登校児童の欠席日数
図4:不登校児童の欠席日数

 図より、以下の4点がわかります。

  1. 小中学校の不登校児童数は約10年前を境に増加率が高まり、令和元年以降増加傾向が顕著で、令和元年の約18万人から令和5年は約35万に。
  2. 割合としては、小学校で約47人に1人、中学校で約15人に1人が不登校。中学校の不登校割合は、令和元年に約3.9%だったものが令和5年は6.7%に。
  3. 学年別で見ると、すべての学年で、前年度と比較し増加の傾向。小学校1年生と小学校2年生では、令和3年と比べ、令和5年は約2倍の不登校人数に。
  4. 実際の欠席日数の分布を見ると、欠席日数が90日以上の不登校児童は中学校で61.4%、小学校で44.2%となっており、欠席日数に濃淡が存在し、中学校ほど長期の欠席割合が多い傾向。

 10年・20年・30年前とは状況が大きく変わり、不登校の人数・割合が今後減少していくということは考えにくく、「不登校がいて当たり前」であるのが現状です。そこで「不登校児童生徒を学校に登校できるようにする」という目的よりも、「不登校であっても適切な教育を受けられる機会を整備する」という方向に目を向けるべきと考えられます。文部科学省も、令和5年調査の概要資料において「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)等を踏まえ、不登校の児童生徒全ての学びの場の確保を推進する」と述べています。

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無気力状態になる不登校児童生徒

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この記事の著者

池本 駿(株式会社ジェイック マーケティング開発部)(イケモト シュン)

 2016年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、同大学院にて3年間で2つの修士号(経済学・工学)を取得。研究業績に、大学中退者の就業形態や賃金に着目した論文等。  『池本駿・鈴木秀男. (2019). 高等教育中途退学が就業形態や賃金に与える影響. 日本経営工学会論文誌, 70(1), 1-9.』...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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