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不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート

小中学生の不登校は過去最多の約30万人に──数字だけを見て終わりにせず、教師や保護者ができることは?

不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート 第4回

 2023年10月4日、小中学校における不登校児童生徒数が29万9048人(前年度は24万4940人)となり、前年度比で22.1%増加し、約30万人になったと文部科学省より公表されました。これを受けて、各種ニュースではセンセーショナルに取り上げられましたが、表面的な数字のみで、調査結果の内容にまで触れられている記事はまだ少ないです。そこで今回は、ソースとなっている135ページにわたる「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(文部科学省)の中身を紐解き、教育現場ではどう受け止めるべきなのかについて、自身も小学校・中学校時代に不登校を経験しており、その経験をきっかけに、不登校や中退の研究を行う筆者の立場から述べていきます。

中学校では1クラスで2人が不登校に

 まずは全体像を把握するために、文部科学省が毎年公表している統計データから、小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移を見てみます。

※本記事の図表(図1~5および表1)は、すべて文部科学省(2023)「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」をもとに筆者が作成

図1:小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図1:小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図2:(千人あたり)小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図2:(千人あたり)小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図3:学年別不登校児童生徒数の推移
図3:学年別不登校児童生徒数の推移

 図より、以下の3点のことがわかります。

  1. 不登校児童生徒数は30年以上にわたり増加傾向で、令和2・3・4年度中学校の不登校が急増(約13万人→約16万人→約19万人)。
  2. 不登校割合としては、小学校で約60人に1人、中学校で約17人に1人が不登校。直近3年間、中学校の不登校割合は約4%→約5%→約6%と推移。
  3. 中学3年生を例外とし、学年が上がるにつれて不登校人数は増加。小学6年生から中学1年生の間で不登校児童生徒数が約1.7~1.8倍に(中1ギャップの存在)。

 不登校人数は増えているという事実、そして中学校では不登校が1クラスに約2人いるという現状を受け止め、「不登校児童生徒を学校に登校できるようにする」という思考から離れ、「不登校であっても適切な教育を受けられる機会を整備する」という方向にシフトするべきではないでしょうか。

不登校児童生徒の欠席日数から見える不登校の濃淡

 そもそも、不登校とはどう定義をされているのでしょうか? 文部科学省によれば、次のように定義をされています。

 長期欠席者(「児日数」欄及び「出席停止・忌引き等の日数」欄の合計の日数により、年度間に30日以上登校しなかった児童生徒)のうち、何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいはより、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」,「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く)。

※文部科学省(2023)「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」P.69より一部抜粋

 簡潔に述べると、不登校とは「病気・経済的理由・新型コロナウイルスの感染回避による欠席を除き、年度間に30日以上の欠席」と言えます。

 つまり、登校日数は約200日なので、登校日数に対し30日(約15%)欠席した場合も、90日(約45%)欠席した場合も、すべて欠席した場合も同じように不登校としてカウントされます。

 実際の欠席日数の分布を見ると、欠席日数が90日以上の不登校児童生徒は中学校で61.2%、小学校で44.6%となっていることから、中学校の方が欠席日数は多くなる傾向があります。要因のひとつには、中学校では小学校に比べ、授業のペースが速く、難易度も上がることから一定日数以上授業を欠席すると、出席をしても授業についていくことが困難となり、結果的に出席を「諦める」こともあると考えられます。

図4:不登校児童生徒の欠席日数
図4:不登校児童生徒の欠席日数

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不登校の要因は半数以上が「無気力、不安」

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この記事の著者

池本 駿(株式会社ジェイック マーケティング開発部)(イケモト シュン)

 2016年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、同大学院にて3年間で2つの修士号(経済学・工学)を取得。研究業績に、大学中退者の就業形態や賃金に着目した論文等。  『池本駿・鈴木秀男. (2019). 高等教育中途退学が就業形態や賃金に与える影響. 日本経営工学会論文誌, 70(1), 1-9.』...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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