SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校) (AD)

子どもが探究的に自走する学びで必要なことは?「ロイロノート・スクール」を活用した国語と総合の授業事例

横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校「ロイロノート・スクール」活用事例

 国内外で約1万3000校が導入する、授業支援クラウド「ロイロノート・スクール(以下、ロイロノート)」。2024年8月に正式リリースされた新機能の「共有ノート」は、複数名の児童生徒が同じノートを同時に編集でき、協働学習に最適なツールとして注目されている。今回、この共有ノートをはじめとしたロイロノートの機能をフル活用して「児童が自走する学び」を実現した、横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校 4年生の「国語」と「総合的な学習の時間」の授業を取材した。授業を担当する荒谷舞 教諭は本年度、児童生徒主体の授業デザインを全国に向けて広める「ロイロ認定イノベーター」も務めている。本稿では授業のレポートとあわせて、ロイロノートの特長や活用する際のポイントなどを、荒谷教諭へのインタビューから紹介する。

ロイロノートをフル活用した「国語」の授業事例

 「今日は、前の授業をみんなが理解しているかどうか、クイズをします!」

 荒谷教諭の呼びかけにクラス全員が拍手し、手元の端末の画面に注目する。横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校4年生の「国語」の授業の始まりだ。

授業の冒頭、クイズ大会で盛り上がる教室
授業の冒頭、クイズ大会で盛り上がる教室

 ロイロノート・スクールの「テストカード」機能を使ったクイズは全6問。現在取り組んでいる教科書の物語について、「主人公は誰?」といった簡単なものから、あらすじの順番を問うものまで、さまざまな問題に児童は一喜一憂しながら楽しげに取り組んでいた。

クイズは、ロイロノートの「テストカード」機能で実施
クイズは、ロイロノートの「テストカード」機能で実施

 「最後はちょっと難しいよ」と言って出された6問目は「この話を通して、学習者が身につけることとは?」という難問。8割以上の児童が「場面と場面を結びつけながら、登場人物の変化や行動の理由を考える」と、正解を答えていた。

「共有ノート」で実現する、児童が探究的に自走する授業

 今回の国語の教材は、作家のはやみねかおる氏が教科書のために書き下ろした『友情のかべ新聞』。学校で起きた事件の謎を解き明かしていくミステリー作品で、登場人物が「なぜ、このような言動をしたのか」を場面ごとに推理していく。

 前時までの授業で、児童は物語を読んで自分が疑問に思ったことを「問い」として文章にまとめた。その際に活用したのが、ロイロノートの「共有ノート」だ。児童は、荒谷教諭が作成した共有ノートに自分のカードを追加し、問いを記入する。カードの中には、友だちに意見を書いてもらえるように、複数の小さなカードをふせんのように並べて配置する。

共有ノートには自分の「問い」と、友だちから意見を記入してもらうカードを配置
共有ノートには自分の「問い」と、友だちから意見を記入してもらうカードを配置

 今回の授業では、共有ノートを全員で自由に閲覧し、友だちの問いに対する回答をカードに記入していく。荒谷教諭は回答する時間を30分ほど設け、「席を移動し、友だち同士で相談してもいい」とした。

 そして児童はクラス全員の問いを一つひとつチェックし、自分が答えられそうなものに対して入力。黙々と書き込む児童がいる一方で、友だちと話し合いながら考える児童もいるなど、それぞれの方法で取り組んでいた。

児童はそれぞれ自分なりのやり方で回答を記入していく 児童はそれぞれ自分なりのやり方で回答を記入していく
児童はそれぞれ自分なりのやり方で回答を記入していく

 中には、友だちの問いを見て新たな疑問が生まれた児童もいた。そうした児童は、共有ノートの中にカードを追加して新たな問いを書き加えていく。また、教科書の写真を撮り、自分が疑問に思った部分をトリミングしてカードに貼るなど、工夫しながら取り組んでいた。

教科書を撮影し、写真をカードに貼りつける児童も
教科書を撮影し、写真をカードに貼りつける児童も

 印象的だったのは、回答を読んで疑問が解決した児童が、「解決しました」という報告を自分の問いのカードに書き込んでいたことだ。好きな画像をスタンプのように貼り付ける児童もいて、報告の方法もバラエティに富んでいた。

 荒谷教諭は、自身の端末から共有ノートを開き、児童の学習進捗を確認する。悩んでいる児童には声かけをしながらも、あくまでファシリテーターに徹していた。児童は、自分の問いについて友だちと協力しながら考えを深め、自らの問いを解決へと導いていった。まさに「協働しながら、主体的に学ぶ児童」の姿が見られた。

次のページ
「シンキングツール」でお互いの活動を可視化

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校) 連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、教育におけるデジタル活用を中心に、全国の学校を取材・執筆を行っている。渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足しプログラミング体験教室などを開催したほか、シニア向けサポートを行う渋谷区デジタル活用支援員としても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


提供:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事をシェア

EdTechZine(エドテックジン)
https://edtechzine.jp/article/detail/11642 2024/12/06 10:00

おすすめ

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング

イベント

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング