カタリバは日本財団と協力して、自治体の不登校政策への伴走支援を行う「不登校政策ラボ」を発足し、新たに連携する自治体の募集を開始したことを、6月2日に発表した。

カタリバは、島根県雲南市の委託を受けて、教育委員会とともに教育支援センター「おんせんキャンパス」を2015年6月から運営している。自治体・学校と連携し、教育、福祉、医療といった専門機関と一体になって、心理的な葛藤、発達上の特性、家庭環境など、さまざまな背景を抱える子どもと家庭に寄り添う支援を届けている。また、市全体の教育活動がより充実すべく、教育委員会と協働して今後の不登校対策についての研修会や意見交換会、ガイドライン作成などにも取り組んできた。
2022年からは石川県加賀市と連携協定を締結。自治体全体でどういった不登校支援に取り組むべきかを議論し、すべての子ども、家庭、学校を対象に、不登校の予防から対策までどのような支援が必要かを検討している。その中で、市内全15の小中学校内にあるスクールサポートルームに支援員を配置するほか、支援員同士がオンラインで日常的に情報交換したり、研修会などに参加したりと、有機的なつながりを持てる仕組みを構築してきた。
さらに、東京都足立区との連携による不登校の児童生徒のための居場所施設を運営するほか、メタバースを活用した不登校支援で、埼玉県戸田市をはじめとする全国6自治体と連携している。
一方、日本財団は「子ども第三の居場所」プロジェクトを実施して、子どもたちの居場所を運営する事業者に助成を行っている。そういった取り組みの中で、不登校の子どもたちをサポートする居場所にも支援を行ってきた。
今回の「不登校政策ラボ」は、地方自治体と連携しつつさまざまな不登校支援に取り組んできたカタリバが、日本財団の2025年度「公益・福祉募集」助成金を活用して発足させたものとなる。自治体ごとの課題に合わせてどのような支援に取り組むべきかをともに議論し、政策づくりやそれに基づいた支援の実施に伴走する。
「不登校政策ラボ」では、カタリバが以下のような支援の提供を行う。支援期間は、29028年3月31日までの最大約3年間。
- 不登校支援に関する政策などの立案・指標導入の伴走支援
- 学校内外の学びの場づくりの支援(学校内支援、教育支援センター、フリースクールなど)
- 行政による保護者向け施策の伴走支援
- 質の向上のための職員等研修の支援など
応募要件は以下の通り。
- 人口20万人未満の市区町村であること
- 応募自治体における不登校支援に関する政策・施策の目的が、カタリバの公募要領に定める目的に該当していること
- アンケート調査などを実施して、同事業の効果検証に協力すること
- カタリバが指定した期限までに公募に必要な書類などを提出すること
応募にあたっては、6月13日10時~11時、または7月3日14時~15時に開催されるオンライン説明会への参加が必要。説明会の参加締め切りは、6月13日の回は6月12日12時まで、7月3日の回は7月2日12時までとなっている。
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