プログラミング教育研究所は、東京都北区教育委員会と共同で開発を進めてきた、スクラッチベースのプログラミング学習環境「きたらっち」の新バージョンのリリースを、9月28日に発表した。7月22日に開催された「2024年度北区ICT活用研修会」で教員向けに発表と研修を行い、すでに北区内の小中学校で活用が始まっている。
北区教育委員会は、教育現場におけるICT活用の推進を目的として「学び未来課」を新設し、プログラミング教育に力を入れている。
プログラミング教育研究所と北区教育委員会が共同開発した「きたらっち」は、小学校から中学校までの一貫したプログラミング学習を可能にする。
「きたらっち」の特徴は以下の通り。
- 安全な学習環境:スクラッチと同じ操作方法ながらほかのユーザーが作成したコンテンツの共有を制限し、学習に集中できる環境を提供する。
- 段階的な学習:小学校低学年向けの直感的な操作から中学校レベルのネットワークプログラミングまで、段階的に学習できる教材をそろえている。
- 実践的な学習:「マイクロビット モア(Microbit More)」との連携により、センサを使ったプログラミングや身の回りのものを制御するなど、実践的な学習体験を提供する。
「きたらっち」では「マイクロビット モア」を活用することでセンサの動きを可視化し、小学生にも使いやすいプログラミング環境を提供する。また中学校向けには、プログラミング教育研究所が開発した拡張機能「ネットワーク拡張」により、生徒たちはスクラッチの自由なプログラミング環境でネットワークプログラミングに挑戦できる。チャットやチャットボットの作成のほか「マイクロビット」との組み合わせにより、IoTやセンサネットワークなどより高度なプログラミング学習も可能となる。
プログラミング教育研究所と北区教育委員会は「きたらっち」を軸に、プログラミング教育の推進を積極的に行っている。今後「Raspberry Pi Pico」を使った新しい教材の開発も予定しており、高等学校の情報Iの学習へとつながるような学習環境を提供していく。
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