EDIXでも注目度の高いロボット教材
ロボット教材は、大きく2つのタイプに分けることができる。
まず、現在メインとなっているのが、PCやタブレットを使い、プログラミング言語や専用アプリでコードを書いて動かすロボット教材だ。ロボットは最初から完成しているタイプのほか、レゴをはじめとしたブロックやパーツを組み立てて作る過程も「ものづくり」として学ぶ要素に取り入れるタイプのものもある。
そしてもうひとつが、ロボットそのものを動かすことで、プログラミングの基礎的な概念を学べるロボット教材だ。PCやタブレットを必要としないものもあり、教える側も比較的準備が少なく、幼児から気軽に学ぶことができるというメリットがある。
プログラミングで設計した動きや結果を、実際のロボットに反映させることができるロボットプログラミングは子どもたちに人気が高く、トライ&エラーを促しやすい教材として多くの学校や民間の教室などで採用されている。
では、今回のEDIXに出展された多数のロボット教材から、特に注目度の高いものを順にご紹介していこう。
Scratchベースの開発アプリも登場――ソフトバンク「Pepper」
まずは日本発のロボットとして、今やさまざまな場所で活躍している「Pepper」。Pepperをプログラミングするというと難しい印象を受けるが、実はプログラミング教材として、すでに小学校でも活用されている。ソフトバンクでは全国の自治体にPepperを無償で貸し出す「スクールチャレンジ」を行っており、現在282の小中学校などが、Pepperを活用した体験授業を行っている。
また、Pepperの開発環境は、これまで「Choregraphe(コレグラフ)」というグラフィカルなインターフェースをもつ開発ソフトのみだったが、2月より教育向けにScratchをベースとした「Robo Blocks」が登場した。その影響も大きく、今後は小学生がPepperを使ってさまざまなサービスを開発する機会も増えていきそうだ。
対話型の言語学習を学べる電話機能搭載ロボット――シャープ「ロボホン」
シャープのブースでは、ロボット型の電話として話題を集めたシャープの「ロボホン」が展示されていた。ロボホンには、Scratchでのプログラミングができる「スクラッチパック」があり、子ども向けのワークショップなども開催されている。ロボホン専用のブロックを用いて、音声対話のシナリオも作成可能だ。
二足歩行で、かつ人間に近い造形のロボホンは、卓上サイズというコンパクトさも相まって子どもに人気があり、ダンスしたり歌を歌ったりといった多芸ぶりもロボホンの魅力だ。
学習支援ツール「スタディノート」で、作成したプログラムを学校やクラス間で共有するといった学校での協働学習の提案も紹介されていた。