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アドビと立命館、新たな価値創出を担う人材育成プログラムを共同で開発──模擬授業の様子もレポート

 アドビと立命館は、Society5.0時代における新たな価値創出を担う人材育成を目指し、その実現に必要な連携・協力を行うことを合意し、9月29日に協定書を締結。同日には、記者向けの発表会と、立命館守山高校の生徒と立命館大学の学生が参加し、画像生成AIツール「Adobe Firefly」を活用した模擬授業が、立命館大学の大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)で行われた。

記者発表会の様子
記者発表会の様子

 同協定は、立命館のすべての附属小学校、中学校、高校および大学において、時代に即応したイノベーション・創発性人材の育成を目指し、学園全体約5万人の児童・生徒・学生に対しクリエイティブ人材育成およびデジタルリテラシー育成のためのカリキュラム開発と実現をはかるもの。

 立命館は、学園ビジョン「R2030」(2030年に向けた立命館学園の中期経営計画の基本となる考え方を示した学園ビジョン)において「新たな価値を創造する次世代研究大学」と「イノベーション・創発性人材を生み出す大学」を目指すべき姿として掲げている。このためには、社会で通用するデジタルスキルやAI活用のリテラシーを身につけ、実際の社会課題に取り組む機会の創出が必要だと考えていた。

 アドビは、2024年4月からスタートする立命館の社会課題解決と人材育成のためのプログラム「QULTIVA(カルティバ)」において、独自の新たなプログラムを立命館と共同開発するとともに、AIと3D、メタバースの世界、コロナ禍後の世界、生成AI系など、最新のテクノロジーや社会課題をテーマにしたセミナーやデジタルスキル育成のための講座、教材の提供を行う。

 大学だけではなく、附属の小中高校の児童生徒に対してもデジタルクリエイティブ活動や発想力を育む機会の支援を行い、クリエイティブなデジタルリテラシーの底上げを図っていく。

 なお、独自開発されるプログラムは日本語だけでなく英語での展開も想定している。英語プログラムの充実化を通して、世界で渡り合える人材の育成も目指していく。

 立命館大学はこの連携の中で、アドビがグローバルで推進する「Adobe Creative Campus」の日本初の認定校となり得る取り組みも共同で推進する。「Adobe Creative Campus」は、アドビのデジタルクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud」や「Adobe Express」を活用したイノベーティブなカリキュラムや教育活動を推進し、学生のクリエイティブなデジタルリテラシーの育成に特に力を入れている大学で、英語圏の大学を中心に現在世界で約70校が名を連ねている。立命館大学は日本初の「Adobe Creative Campus」となることで世界各国の教育機関とコンテンツやベストプラクティスを共有し、イノベーションを推進する基盤と基礎能力の育成を図ることを意図している。

「Adobe Creative Campus」
「Adobe Creative Campus」

 本協定における取り組みの概要は以下の通り。

  • クリエイティブな発想×デザイン力×AIとの共存力を持つイノベーション・創発性人材育成プログラムの共同開発
    • a(基礎)アドビによる講座実施、教材の提供など
    • b(応用)時代に即したテーマによる連続/単発セミナーを定期開催
    • c(活用)立命館独自の社会課題解決人材育成プログラム「QULTIVA(カルティバ)」のアドビ連携版を開発
  • 上記の持続的実現発展のための教職員・学生へのスキル育成支援
立命館とアドビの連携・協力協定の内容 立命館とアドビの連携・協力協定の内容
立命館とアドビの連携・協力協定の内容

 連携協定に関する記者説明会において、学校法人立命館の総長である仲谷善雄氏は「立命館では小学生から大学院生まで、個性豊かな児童・生徒・学生が学んでいる。また、立命館大学には約70の国や地域、立命館アジア太平洋大学には100を超える国や地域から学生が集い、互いを尊重しながら共に学んでいる。この立命館の多様な環境にアドビが有する先進性を掛け合わせることで、児童・生徒・学生が失敗を恐れないチャレンジを繰り返し、世界に大きく飛躍することが可能になる」と述べた。その上で「立命館が目指す創発性人材の育成は、教育機関単独では成し得ないもの。アドビをはじめとする社会の最先端を作るさまざまなプレーヤーと手を携え、未来を担う人材育成に取り組んでいく」と展望を語った。

立命館の多様性とアドビの先進性を掛け合わせる
立命館の多様性とアドビの先進性を掛け合わせる

 また、アドビ デジタルメディアWW フィールド セールス&カスタマーサポート担当上級副社長 兼 アドビ株式会社 社長のクレア・ダーレイ氏は「アドビは生成AIツール『Adobe Firefly』を正式リリースした。このツールによって、進化したクリエイティビティを世界の学生に提供できる」と説明。そして「AIによってデジタルテクノロジーがさらに進化し、人間の想像力を羽ばたかせ、創造力を高めるためのベストフレンドになりつつある。今回の提携で、アドビのデジタルテクノロジーツールが立命館の児童・生徒・学生の皆さんのベストフレンドとなることを心から期待している」と語った。

学校法人立命館 総長 仲谷善雄氏(左)、アドビ デジタルメディアWW フィールド セールス&カスタマーサポート担当上級副社長 兼 アドビ株式会社 社長 クレア・ダーレイ氏(右)
学校法人立命館 総長 仲谷善雄氏(左)、アドビ デジタルメディアWW フィールド セールス&カスタマーサポート担当上級副社長 兼 アドビ株式会社 社長 クレア・ダーレイ氏(右)

 記者説明会の後には、立命館守山高校の生徒と、立命館大学の映像学部および経営学部の学生が参加した公開模擬授業が行われた。講師はアドビ Adobe Education Leader, Adobe Community Evangelistの境祐司氏が務めた。

仲谷氏、ダーレイ氏らと、模擬授業に参加した、立命館守山高校の生徒と立命館大学の学生
仲谷氏、ダーレイ氏らと、模擬授業に参加した、立命館守山高校の生徒と立命館大学の学生

 模擬授業のテーマは「Adobe Expressを活用して創造的な問題解決を体験する」。まずは境氏より「創造的な問題解決」が「デザインの力で問題を発見・解決していくこと」だと説明された。そして「デザイン」は「色彩や形」だけでなく「物事を改善し、問題を解決するための工夫や手法」を指す言葉でもあると解説された。

 実践例として地元の防災アプリを改善するプロセスが紹介された後、実際に生徒と学生が「Adobe Express」を活用した創造的な問題解決を体験した。今回は「バックキャスティング」という、未来像を定義してから「いま何をすべきなのか」を考えていく思考法が用いられた。テーマは「10年後の自分を設定して今やるべきことを導き出す」。10年後のありたい姿・あるべき姿・理想を踏まえて、いま何をすべきなのかを「Adobe Express」でビジュアル化していく。「Adobe Express」には画像生成AIツール「Adobe Firefly」が組み込まれており、作品に使用する画像を簡単に作成できる。なお、境氏からは「AIを使う際は倫理観を持つことが大切」と、フェイク画像の生成は止めるように注意喚起があった。

 そして、生徒や学生はそれぞれ入力するプロンプトを工夫しながら、10年後の自分をイメージした画像を作成。最後に全員の作品を見せ合った。

生徒・学生の作品 生徒・学生の作品
生徒・学生の作品

 模擬授業の最後に、境氏は「絵を描くためのトレーニングやデザインの勉強はこれまで非常に時間がかかるものだったが、そのようなことをしなくても『Adobe Firefly』といったツールが代替してくれる。ただ、一番重要なのはやはり自分の『実現したい思い』なので、そこはしっかり考えた上でデザインの力で創造的に問題を解決する必要がある」と語り、授業を締めくくった。

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https://edtechzine.jp/article/detail/10139 2023/10/06 20:53

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