マイナビは、全国の企業を対象に、2023年6月時点での2024年卒の採用活動および2025年卒の採用計画について尋ねた「2024年卒 企業新卒採用活動調査」の結果を、7月18日に発表した。同調査は、6月2日~20日の期間に行われ、3113社(上場:265社、非上場:2848社/製造:1223社、非製造:1890社)から有効回答を得ている。
調査結果によれば、企業の2024年卒採用について6月時点の採用充足率が「5割以上」の企業は前年比4.8ポイント減の39.5%で、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2021年卒の40.9%を下回った。インターンシップの実施有無別でみると、インターンシップを実施した企業で採用充足率が「5割以上」は50.1%だったのに対して、実施しなかった企業は「0割」が53.5%となっている。
採用活動における現時点での問題点を尋ねたところ(複数回答)、「母集団(エントリー数)の不足」(70.0%)が2年連続で増加し、2022年卒(34.4%)と比較すると2倍以上増加した。
学生のインターンシップの平均参加社数は増加傾向にある。一方で、学生は就職活動の準備期間からすでに応募企業を絞り込んでいることから、母集団となるエントリー平均社数は年々減少している。
学部卒生の総合職採用で、初任給の引き上げを行った企業は70.0%に達し、引き上げ額が最多だったのは5000円~1万円未満で36.0%だった。
引き上げの理由としては(複数回答)、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」(53.0%)がもっとも多く、「求職者へのアピールのため」(48.8%)がそれに続いている。上場企業でも「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため」(63.0%)が最多だったが、それに続いたのは「定着率を高める・離職を防ぐため」(44.1%)だった。
新卒採用におけるAI活用について尋ねた質問では、学生が就職活動に生成系AIを利用している実感がある企業は4.6%に留まっている。
就職活動で学生が生成系AIを利用することについて尋ねたところ、「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしいと思う」(41.2%)がもっとも多かった。
企業からは、就職活動での学生の生成AI利用について、「面白い使い方をした学生がいればスキルを評価したい」「効率化のために上手に使用することは推奨する」といった意見が寄せられている。一方で、「面接などで実際に話した際に齟齬のある発言をしてしまう可能性がある」「入社がゴールではないので自分を誇張しないように配慮して使用してほしい」といった、「選考に通過できそうな選考書類の作成」にAIを利用することで、就活生本人の意見と乖離した内容にならないように注意を求める意見がみられた。
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