ストリートスマートは、小中学生の情報活用能力の育成を支援する「Google for Education 活用表」を、全国各地の教員に向けて無料公開することを、5月31日に発表した。
学習ツールとして1人1台端末の整備がほぼ完了した今、子どもたちが実際に端末を活用して情報を適切に収集したり、問題の発見や解決に取り組んだり、自身の考えを表現・発信したりといった「情報活用能力」を、学習活動のあらゆる場面で育むことが重要視されている。
このような状況を踏まえ、「Google for Education」を活用した情報活用能力の育成指標として「Google for Education 活用表」を提供することとなった。この活用表をもとに、さまざまな学習活動における効果的なICTの活用が進められ、情報活用能力の育成に役立てられることが期待できる。
「Google for Education 活用表」は、学習活動における情報活用能力の育成法を段階的に体系化した、教員のための具体的な指標。同活用表では、キーボード入力やアプリケーションの操作といった「基本的な操作」「情報モラル・情報セキュリティ」、情報を分析・整理・発信するといった「情報活用」「プログラミング」の4つに情報活用能力を大別し、それらを育成するために「Google for Education」のアプリケーションの活用方法が具体的に掲載されている。
「Google for Education 活用表」のポイントは以下の通り。
ポイント1:義務教育期間で身に付けたい情報活用能力とクラスの現在地がわかる
同活用表は、1.低学年、2.中学年、3.高学年、4.中学校の4ステップで構成され、ステップごとに身に付けたい情報活用能力がまとめられている。また情報活用能力を大・中・小項目に整理することで、身に付けたい力がわかりやすく表現されている。
以下は、STEP1(小学校1・2年生)の例(一部)。
情報活用能力を大項目の「情報活用」、中項目の「整理分析」、小項目の「身に付けたい力」に整理し、「簡単な絵や図、表やグラフを使って情報を整理できる」や「1~2点の情報から、分かったことをまとめることができる」などの具体的で実践的な表現に落とし込んで記載されている。
漠然としていた情報活用能力を分解し、具体的かつ実践的な項目にまで明確化することで、日々の学習活動で取り組むイメージをつかめる。また小・中学校の9年間が4つに区切って示されているため、情報活用能力における到達目標の把握とともに、クラスの実態と照らし合わせることでクラスの現在地を知ることができ、活用表をその後の情報活用能力の育成計画としても利用できる。
義務教育の9年間分の情報活用能力の育成に見通しを持てるため、クラスや学年での利用にとどまらず、ICT活用のロードマップとして学校や自治体全体でも活用できる。
ポイント2:「Google for Education」を活用した情報活用能力の育み方がわかる
実践的な項目にまで分解されたそれぞれの情報活用能力を育成するにあたり、「Google for Education」のどのアプリケーションやツールを、学習活動にどのように取り入れればよいかについても具体的に記載されている。
以下は、STEP1(小学校1・2年生)「簡単な絵や図、表やグラフを使って情報を整理できる」の例。
身に付けたい力
簡単な絵や図、表やグラフを使って情報を整理できる。
活用するアプリ・ツール
「Google Jamboard」「Google スライド」
活用イメージ
ファイル上に用意された絵や図を移動させたり、表やグラフに手書きや音声入力で考えをメモしたりして情報を整理する。
授業での活用例
【算数】Google Jamboard上に用意された図形を動かして仲間ごとに分類し、図形の特徴について気づいたことを手書きメモで入力する。
このように、特定の情報活用能力を身に付けるためには「どのようなツールやアプリケーションを取り入れ、どういった学習活動でどう活用するか」を活用表に沿って実践することで、日常の学習活動の中で着実に情報活用能力を育成することが可能となる。
ほかにも「Google for Education」を活用した効果的な学びの実現のために、掲載されている内容をもとにほかの学習場面で応用したり、より有効な実践を検討したりするなど発展的に活用できる。
ポイント3:情報活用能力育成の指標として進捗管理にも活用できる
同活用表はダウンロード後、印刷して使うことが可能。各項目にはチェックボックスがついているため、いつでも見えるところに活用表を掲示し、実施した項目にチェックを入れることで情報活用能力育成の進捗管理にも活用できる。
同活用表には、これまで同社がICT支援サービスを通してそれぞれの自治体や学校の課題や状況に寄り添いながら、現場目線で幅広い提案型支援を展開し培ったノウハウが凝縮されている。なお同活用表には、自身の自治体や学校では使用していない、もしくは使用が制限されているアプリケーションやツールが記載されている場合があるため、所属の自治体や学校の実態に応じて柔軟に活用する必要がある。
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