FCEエデュケーションは、石川県能美市教育委員会と連携し、中高生向けデジタル手帳「フォーサイトアプリ」を用いた教育DXを共同で推進していくことを、5月10日に発表した。まずは同市内の全中学校3校と小学校1校において、連絡帳・生活ノートから1人1台端末を用いた「フォーサイトアプリ」へ置き換えることで児童生徒とのコミュニケーションや学習効果の向上を図りつつ、教員の業務効率の改善を目指す。また、6月3日には教育DXの事例共有会も開催する。
同市教育委員会では、文部科学省のGIGAスクール構想に合わせて2020年11月より端末を市内の小中学生全生徒に配付するなど教育DXを進めてきた。コロナ禍においては端末を使ってさまざまな行事をオンライン配信したり、教員の業務効率化のために保護者との連絡ツールを導入したりするなど先進的な取り組みを行ってきた。今回端末を用いた「フォーサイトアプリ」によって、生徒たちの学習効果向上のほか、長年効率化が図れておらず教員の負担になっていた連絡帳・生活ノートによるオペレーションの改善に取り組む。
これまで同市教育委員会では、児童生徒との教員間のコミュニケーションに連絡帳などを利用してきたが、市内学校の希望に応じて段階的に廃止して「フォーサイトアプリ」の利用に切り替えていく。これにより、児童生徒、教員、ICT利活用の3つの面で以下のメリットが生まれる。
児童生徒
「フォーサイトアプリ」の活用により、児童生徒が生活や学習状況を履歴で振り返る、先の予定を踏まえ見通しを持って計画を立てる、ということが可能となる。また、自分の生活や学習状況を把握した上で自己評価や計画を立てることが期待でき、自己調整力を身につけられる。
教員
教員にとって、連絡帳などを活用した児童生徒とのコミュニケーションはよい面もあるものの、回収やチェック、コメントの記入、予定の記載など1日の限られた時間の中での負担感も非常に大きくなっている。「フォーサイトアプリ」の利用により、こうした負荷的なオペレーションが改善され、教員と児童生徒間のスピーディーな情報共有、児童生徒の生活・心理状況の把握などができるようになり、適切でタイムリーな対応が可能となる。
ICT利活用
同市教育委員会では、端末の持ち帰りを推奨している。「フォーサイトアプリ」の利用によって、家庭での端末のさらなる有効活用が促進される。
同市教育委員会との今後の展開として同社は、他自治体、他校へ取り組み内容を発信する目的で「能美市教育委員会教育DX事例共有セミナー」をオンラインで開催する。開催日時は6月3日の13時30分~15時で、参加費は無料。セミナーには同市教育委員会 学校支援課 担当課長の亀田香利氏が講師として登壇する。
また「フォーサイトアプリ」を用いた児童生徒への効果検証として定期的なアンケートを行うなど、生活面・学習面での効果を把握することにより有効な活用事例の創出や「フォーサイトアプリ」の機能改善にも努めていく。
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