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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZine読者イベントレポート

共通テストにも採用! 高校の情報教育に教育委員会・学校はどう対応すべきか、元教員の研修講師が解説

第21回 EdTezhZineオンラインセミナー「高校の情報教育が目指す姿とは? 教育委員会・学校はいかに対応すべきか」

 新学習指導要領によって必履修科目となった高校の「情報I」。2025年度からは大学の入学共通テストに採用されることが決定し、大学ごとに異なる配点の差も大きな話題となった。学校現場では、情報の専任教員の不足や中学校と高校の連携が弱いといった、高校における情報教育の課題が挙げられている。2022年11月に開催した第21回 EdTechZineオンラインセミナーは「高校の情報教育が目指す姿とは? 教育委員会・学校はいかに対応すべきか」と題し、高校の情報科教員の経験を持つNPO法人みんなのコードの永野直氏が登壇。高校だけでなく、小中学校から連携することも含め、今、教育委員会や学校現場が取り組むべきポイントについて語った。

高校の「情報」担当教員の65%が授業へ不安を感じている

 永野氏は2021年よりみんなのコードの主任講師として、全国の自治体や学校で情報教育やICT活用の研修を行っている。これまで、25年間の公立高等学校での情報科教員や、千葉県総合教育センターの指導主事、「情報」の新学習指導要領の作成に携わるなどのキャリアを持つ。

NPO法人みんなのコード 未来の学び探究部 永野直(ながの なおし)氏
NPO法人みんなのコード 未来の学び探究部 永野直(ながの なおし)氏

 同氏はまず、2022年度から大きく変わった「情報I」の解説から講演をスタートした。「ちまたでは『高校で情報が必修化された』と言われているが、2003年から『情報』はすでに必履修となっている。2022年度からは必修科目にプログラミングやデータ活用が含まれたため、これまでプログラミングの経験がなかった教員も授業でプログラミングを扱うことになった」と、現状を伝えた。

 実際、永野氏が全国の教員に向けてアンケートや聞き取り調査を行ったところ、情報教育においてもっとも不安に感じているのがプログラミングで、約半数の教員はプログラミングを授業で扱った経験がないという。さらに、高度化した「情報I」の内容に対する不安も大きい。

 「このほかにも、授業時間や教材研究の時間が足りないだけでなく、そもそも担当者がいない、足りないなどの問題がある。さらに、大学入学共通テストに対応できるのかといった不安もある」と、永野氏は話す。

高校「情報」担当教員へのアンケート調査結果
高校「情報」担当教員へのアンケート調査結果

 そこで、みんなのコードでは、プログラミング言語「Python」を使ったオンライン教材「プログル情報」を無償で提供するほか、全国の教育委員会に対して研修などを行うことで、情報科教員への支援を行っている。その結果、プログラミングに対して大きな不安を抱いていた教員も、授業への自信が持てるようになったという。

情報教育は「問題発見・解決能力」を養うもの

 永野氏は「文部科学省から示されている『情報』の考え方は、一言で表すと『問題発見・解決能力を養う』ことだ」と説明。その上で「『情報』では、プログラミングやシミュレーション、データ活用、情報デザインなどを世の中のさまざまな事象に適用し、問題解決を図る。問題が急速に変化していく『現代』に対し、サイクル的に物事を捉え、考え続けていくことが『情報』のねらいであり目標である」と解説した。

 そして「人口減少によって予想がつかない社会が訪れる未来では、問題解決能力が必要とされる。今後、新たに生じていく問題に対応するために、プログラミングや『情報』で学んだ内容を活用することで、より良い生き方、働き方につなげていくことができる。そのためには高校在学中に限らず、ずっと学び続けていなければいけない」と、参加者に伝えた。

問題解決における情報活用の必要性
問題解決における情報活用の必要性

 さらに、永野氏はGoogleが公開している機械学習を活用した農家の動画を紹介。「『情報』はプログラマーといった一部の職業だけのものではない。複雑化・多様化した現代においては、どのような職業においてもテクノロジーを使って問題を解決することが非常に重要」と解説し、教科「情報」の重要性を改めて強調した。

次のページ
大学入学共通テスト「情報」への対応策は?

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

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