はじめに
EdTechZine読者の皆さま、こんにちは。GMOメディアのプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」(以下、コエテコ)の沼田と申します。
コエテコでは、2018年より株式会社船井総合研究所(以下、船井総研)と共同で「プログラミング教育市場規模調査」を発表しています。今年も6月に2022年のプログラミング教育市場規模調査を発表しました。2022年の調査は、従来発表していた「子ども向け」の市場に加えて「社会人向け」の市場も調査しています。船井総研の発表した「情報教育白書2022年版」には、さらに大学・専門学校の情報も掲載されています。興味ある方はぜひご覧ください。
今回は、発表したプログラミング市場規模調査データをもとに、市場規模の動向と、公教育の動きに基づいた今後の市場の展望などをお伝えしていきます。
2022年のプログラミング教育市場規模調査結果を発表──市場の内訳は?
まず、市場規模の内訳をお伝えします。
今回の調査対象となっている「情報教育」に関しては「第四次産業革命後、Society5.0時代・デジタル化に必要とされるプログラミング、情報セキュリティ、情報ネットワーク、数理・データサイエンス、AIなどに関連した、高度IT人材、ICT人材を養成するための教育」と定義し、学習指導要領における小学生・中学生向けのプログラミング教育や、高校の科目「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」に関わる教育も含めて調査を行っています。また、今回の調査に関しては、対象を個人向けのサービスに限定している点をご注意ください。
2022年の情報教育市場全体は、1778億円となりました。
内訳を見ていくと、高等教育機関における情報教育市場(大学)が最も多く1219億円、次いで高等教育機関における情報教育市場(専門)が256億円です。
さらに、子ども向けプログラミング教育市場は199億円、社会人向け情報教育市場は103億円となっており、2つを足したプログラミング教育市場全体の市場規模は302億円となりました。
子ども向けプログラミング教育市場は199億円に拡大
次に、子ども向けプログラミング教育市場をもう少し詳しく見ていくと、2018年の調査開始から年々拡大を続けており、2022年は199億円と200億円近くになりました。2018年は100億円に満たない市場だったことを考えると、2倍以上に拡大していることになります。
子ども向けプログラミング教育市場拡大の背景には2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化がありますが、専門的な知識習得を目指す中学生の受講者数が増えていることもポイントです。