ドローン×プログラミング? 掛け合わせた意図とは
本アプリを開発したのは、ITサービス開発とドローン利活用推進を手掛ける株式会社ORSO。同社はすでにドローン操縦の基礎を楽しみながら覚えられるスマートフォン用アプリ「DRONE STAR」を昨年4月より提供しています。
これはアプリをダウンロードしたスマホを送信機に組み込むことで、対応機種「DRONE STAR 01」をラジコンのように手動で操縦します。ARミニゲームのミッションを通じて、ゲーム感覚で操縦の基礎を学ぶことができるのです。
2017年には学校法人塩原学園 本庄第一中学校をはじめとする教育現場で、操縦アプリを使用した体験講座を実施し、ICT教育におけるドローンの可能性を模索してきました。
一方で今回のプログラミングアプリはなぜ生まれたのか。開発背景について本アプリ開発者のORSO・高宮悠太郎氏は次のように話しています。
「2017年に文部科学省より示された新学習指導要領で、小学校教育においてもプログラミング教育を実施する方針が含まれました。弊社のITサービスの開発力とドローン利活用推進事業での教育ノウハウを生かし、教育現場での求められる論理的思考、プログラミング的思考の教材としてドローンが果たせるものがないかと模索し、本アプリ開発に至りました。そしてアプリ提供にあたり、実際の教育現場の方々とドローンを使ったICT教育を共創したいという思いから、先行導入していただけるパートナー様を募集しました」(高宮氏)
この呼びかけに手を挙げたのが本講座の主催者、埼玉県を中心とし全国30か所で子ども向けプログラミング教室を運営している「SMILE TECH(スマイルテック)」です。小学校での導入が進んでいるビジュアルプログラミングのほか、デザイン、ロボット、言語コースと4つのコースを展開しています。
では子どもたちの目にはドローン×プログラミングがどのように映るのか。講座の様子を覗いてみたいと思います。
フライトを体験してみよう、初めてのドローン操縦
講座に参加したのは小学3年生から上は中学3年生まで。朝から埼玉県大宮市にあるプラザノースのセミナールームに集まりました。
2月9日の平昌オリンピック開会式で、ドローンが五輪を夜空に映し出すライトショーを披露して、ちょうどドローンに注目が集まったタイミング。初めてドローンに触れる子もいて、みんなそわそわしている様子です。
まずは送信機を使ったフライトの体験です。ORSOのメンバーが操縦方法を一人一人に手ほどきします。
ゲーム機器に慣れているのか、初めてにしてはなかなかの操縦の腕でした。以前、筆者が体験した時は、すぐにドローンが迷子になって壁に激突していたので、子どもたちの飲み込みの速さに脱帽です。
「DRONE STAR 01」の対象年齢は15才以上。本体18gの軽さとはいえ、注意をしないとケガや事故へつながることもあります。安全運行のために運営陣と5つの約束ごとを決めて、講座中は徹底に努めていました。
その約束ごとがこちら。
- 故障を避けるため、優しく丁寧に扱うこと。
- 操縦前はゆがみやひび割れがないか点検すること。
- 複数同時で飛行する際に、iPadと機体をつなげるWi-Fiの混線を避けるためにお互いに掛け声を徹底すること。
- ドローンとの距離を保つために1.5m以上離れて安全確保。
- ドローン飛行中に、危険を感じたら停止ボタンを押し、すぐに着陸させること。
保護者が付き添って、繰り返し上記を確認し合うことで、ただドローンを楽しむのだけでなく、安全への意識を高めることができるのです。