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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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教育現場でのICT活用事例紹介(大学・専門学校)(AD)

学生の自主学習も促す、専門学校における動画教材の効果とは?「Udemy Business」活用事例

YIC情報ビジネス専門学校「Udemy Business」導入事例

 専門領域に特化し、実践的な知識・技術の習得を目指す専門学校では、常に分野ごとの最先端の教育が求められる一方で、それらに対応できる教員の不足によって業務負荷が増大するなどの課題も抱えている。本稿では、豊富なコンテンツを持つオンラインの動画教材を取り入れたことにより教員の負荷を軽減できただけでなく、学生の個別最適な学びが深まり、さらには自学自習へと発展した事例を紹介する。YICグループが運営するYIC情報ビジネス専門学校では、ビジネスからIT、デザインまで多様な分野のコンテンツが用意されたオンライン教育プラットフォーム「Udemy Business」を2021年度より活用している。同校の副校長を務める河津道正氏に、導入に至るまでの背景や効果的な活用法、今後の展望までをお聞きした。

YIC情報ビジネス専門学校 副校長 河津道正氏
YIC情報ビジネス専門学校 副校長 河津道正氏

豊富なコンテンツを定額料金で視聴できる「Udemy Business」

 YIC情報ビジネス専門学校は、山口県の新幹線停車駅である新山口駅前に所在する。1990年に開校した、山口県では最多の学科数を持つ専門学校で、ITやビジネス、医療事務、ホテル・ブライダル、ペットまで幅広い5分野・5学科の学びを提供している。

さまざまな分野の学びを提供するYIC情報ビジネス専門学校
さまざまな分野の学びを提供するYIC情報ビジネス専門学校

 2021年度からは同校の情報ビジネス科において、オンライン教育プラットフォームの「Udemy Business」を導入し、授業や課題、自学自習の教材として活用している。

 副校長である河津氏によると、eラーニング自体は2010年ごろに導入しており、動画教材についても数年前から利用を開始していた。しかし効果的な活用には至らず、苦心していたという。

 当時、最大の課題として挙がっていたのが「管理のしにくさ」だ。「動画教材は取り入れやすかったものの、使いたいコンテンツが複数のサイトにバラバラに点在しているため、学生は単元ごとに目当ての動画教材を探す必要があり、教員も学生がどこまで視聴しているのか把握できず、進捗管理が困難でした」と河津氏は振り返る。そのため、学生の進捗はテストなどで個別にチェックする必要があり、非常に手間がかかっていた。

 改善策を検討する中で、河津氏はUdemy Businessに出会う。Udemy Businessは必要なテーマの動画教材が1つのサービスにすべてまとまっている使いやすさに加え、費用面でも大きなメリットを感じたという。

 「他社サービスの多くはコンテンツを追加する度に費用がかかり、学生・学校ともに負担が大きくなっていました。一方、Udemy Businessは定額料金のみで好きなだけコンテンツを選べる点も、選定のポイントとなりました」

Udemy Businessには多種多様なコンテンツが用意されている
Udemy Businessには多種多様なコンテンツが用意されている
コンテンツのひとつ「実務直結“データを活かした”戦略的ストーリーメイキング講座」
コンテンツのひとつ「実務直結“データを活かした”戦略的ストーリーメイキング講座」

学ぶべき講座がわかる「ラーニングパス」機能

 同校では主に3つの目的でUdemy Businessを活用している。

 1つ目が、事前にUdemy Businessの動画教材を視聴した上で授業を受けるという、いわゆる「反転学習」としての活用だ。「専門学校に入学する生徒たちのバックボーンは個々に異なっており、普通科高校からの進学者だけでなく、商業科や工業科、通信制の高校出身者や、さらには元社会人もいます。学生の知識量にも差があるため、反転授業として『授業を受ける前提の知識をそろえる』という目的で、Udemy Businessを使って学んでもらっています」と河津氏は話す。

 続く2つ目が、夏季休暇などの長期休みや普段の課題として動画教材の視聴を課すというもの。昨年は夏季休暇期間を含む6~7月での視聴が多く、合計で91時間Udemy Businessで学習を行った。

 そして3つ目が、学生に裁量を持たせ自学自習としてUdemy Businessの動画教材を視聴するというものだ。コロナ禍により自宅にいる時間が長くなったことで「もっと勉強したい」と学生の学習意欲が高まっているという。しかし実際に学ぼうとすると、意欲はあるものの何をすればよいかわからない学生も多く、学校としても課題を感じていた。さらに「Udemy Businessには6000以上のコンテンツがあるため、どれから視聴すればよいのか悩んでしまう」といった声も寄せられていた。

 そこで役に立っているのが「ラーニングパス」機能だ。ラーニングパスを使用することで、Udemy Businessの豊富なコンテンツから任意のものを複数選択してリスト化し、ひとつのコースとしてまとめることができる。同校では現在「eコマース用」「簿記電卓会計用」「PBL用」「ビジネス実戦用」「春休み学習用」「就職活動用」「留学生用」「おすすめ100選」と、目的や課題に沿った8つのコースを教員が作成し、学生に提示している。

同校で現在活用されているラーニングパス
同校で現在活用されているラーニングパス

 配信したラーニングパスの中でも、特に学生からの反響が大きかったのは「eコマース用」に含まれていた「写真撮影講座」だという。同校の情報ビジネス科の特色のひとつに、ヤフーのサポートのもとネットショップを運営できる授業がある。学生はヤフーショッピング内でネットショップを運営し、山口県の特産物や学生の作品などを販売している。

 「教科書に沿った基本的な写真の撮り方は学習できていたのですが『もっとお客さんに訴える写真がほしい』など、さらに工夫したい学生も多くいました。しかし、書籍のみでは細かい部分がわかりづらいといった声もあり、その点で動きを確認できる動画はとても役立ったと好評でした。動画を視聴したことで、自分用にデジタル一眼レフカメラを購入した学生もいました」と、河津氏は講座によって学生の興味関心が広がった一例を語った。

 ラーニングパスの効果はそれだけではない。数あるコンテンツから目的別にピックアップしたことで、学生は「自分が今何を学ぶべきか」を明確にでき、自学自習も活性化していった。人により多少差はあるものの、視聴時間は最低でも1日2時間、多い学生だと6時間以上学習しているという。「通学に1時間以上かかる学生も多く、その時間を活用して視聴しているようです」と河津氏は解説する。

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教員のスキルアップと授業準備軽減にもつながる

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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