保育施設でDXが必要な理由
共働き世帯の増加や女性の就業率の上昇により、保育所等の利用率が上がり続けています。特に1~2歳児においては、50%を超える(※1)など、保育施設は「社会インフラ」と表現できるほど、重要な役割を担っています。
そのような中、「保育士不足」は深刻な社会課題です。有効求人倍率は全国で約3.9倍と、全職種平均(約1.6倍)の約2.5倍の水準感であり、都心部に至っては約6倍(※2)と、非常に高くなっています。
また「潜在保育士」といって、保育士資格を持っている方のうち、保育士として働いていない方は約100万人もおり、有資格者の約60%を占めている状況です(※3)。
子どもたちの人気職業ランキングなどでは上位に来ることが多い保育士ですが、なぜ担い手が集まらないのでしょうか。それは、業務負荷の高さや長時間労働が原因であると言われています。
2018年にOECD(経済協力開発機構)が行った調査によると、日本の保育者は自宅への持ち帰り業務を含めた1週間の仕事時間が50.4時間(単純換算で1日10時間以上の労働)と、調査対象国の中で最も長時間労働となっているほか、「社会から評価されているか」の設問に対して「当てはまる」と回答した日本の保育者は31.4%と、こちらも調査対象国の中で最も低い数値となりました(※4)。
保育者の仕事は子どもたちとの直接的な関わり以外に、保育日誌や保育計画の作成や連絡帳の記入、お昼寝の見守り、園内の写真撮影業務など、実は非常に多岐にわたっています。そして、現状はそれらがほとんど手書きで行われるようにアナログな手法がまだまだ主流のため、余計に保育者の業務負荷が高くなっているのです。
ユニファは、AIやIoTといった最新のテクノロジーを活用して、保育関連業務を丸ごとDXすることで保育者の方の時間と心のゆとりを生み出し、保育者の方々が最も重要な子どもたちとの関わりに集中でき、保育の質の向上につなげられるように、保育施設のDXを推進するソリューションを提供しています。
SDGs(持続可能な開発目標)17の目標に「5.ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられる中、世界経済フォーラム(WEF)が実施したジェンダーギャップ指数2021において、日本は調査対象156カ国中120位とG7の中で最下位であり、目標達成に大きな課題を残す状況となっています。また、政府は2030年までに上場企業における女性の管理職比率を30%に引き上げると目標を掲げています(※5)。現状が6%台のため、目標達成には抜本的な対策が必要不可欠です。女性のさらなる活躍を推進していくためにも、働きながら子育てをする人々にとって重要な社会インフラである保育施設のDXをさらに進めていく必要があると考えています。
ユニファはこうした課題に対して「スマート保育園・幼稚園・こども園」構想を推進・展開しています。その取り組みを紹介します。