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DXで保育士の負担を軽減する「スマート保育園」が目指す社会とは?

保育施設×DXの現場から【後編】

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 保育士の業務負荷軽減が急務となっている中、ユニファはIoTやAIを活用し保育施設のDXを進めています。「スマート保育園」のモデル園で実際に得られた成果や、ITリテラシーが必ずしも高い人だけではない保育の現場において、DXを進める上でのポイントを紹介します。

「退職者ゼロ」を3年連続で達成した、心育保育園

 前編でお伝えした通り、保育士の有効求人倍率は全国で約3.9倍と、全職種平均の2.5倍以上の水準感となっており、保育士の確保はどこも苦労している状況です。そのような中、3年連続で退職者ゼロを実現した保育施設が岡山県にあります。

 心育保育園は、スマート保育園のモデル園として当社のサービスを一括導入しています。統括管理者である村本あすか先生が中心となって、保育関連業務のデジタル化を進めてくれました。過去に保育士として書類業務などの業務負荷の大きさを課題に感じていたこともあり、村本先生ご自身が「自分と同じような経験はさせたくない」という強い意思と、「子どもたちとの時間を豊かにするためのテクノロジー活用」というはっきりとした目的意識をお持ちでした。

 結果、連絡帳の記入や写真撮影業務、保育者のシフト作成業務、検温業務等に関して、当社のサービス導入前後で約65%(月間約138時間)の業務時間の削減を実現することができました。新たに創出できた時間で、ノンコンタクトタイムと呼ばれる保育者同士での語り合いや、保護者とのコミュニケーション量が増えたと言います。何より、心にゆとりが生まれたことで「子どもたちの育ちを見つめる目も変わり、保育者の心が輝くようになった」と村本先生は教えてくれました。

約65%業務時間を削減
約65%業務時間を削減

 このように心育保育園では、ICTによる業務削減が多くの効果をもたらし、3年連続で退職者ゼロを実現しているのです。

保護者も巻き込みスモールステップが奏功した、にこにこ保育園

 2020年4月に香川県高松市に開園したばかりのにこにこ保育園にとって、ICT活用は初めての試みでした。そのため、すべてを一気にデジタル化するのではなく、ゆっくりとステップを踏んで導入を進めていきました。また、導入にあたっては「ICTリーダー」を置いて保育者と保護者に周知し、何か分からないことがあればすぐに聞ける体制を作ったことで、保育者・保護者からも安心感を得ることができました。ICTリーダーがわからないことは、ルクミーのスタッフがサポートすることで、大きな混乱もなくひとつずつ導入が進んでいきました。

 コロナ禍という状況の中で行事の中止が続いたため、保育施設での日常風景をルクミーフォトで撮影し保護者への共有を始めました。写真付き記録が保護者と保育者の間で新たなコミュニケーションツールとして定着するようになったようです。


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連載:教育現場でのICT活用事例紹介(幼稚園・保育園)

著者プロフィール

  • 土岐 泰之(ユニファ株式会社 代表取締役CEO)(トキ ヤスユキ)

     2003年、住友商事に入社。リテール・ネット領域におけるスタートアップへの投資および事業開発支援に従事。その後、外資系戦略コンサルティングファームであるローランドベルガーやデロイトトーマツにて、経営戦略・組織戦略の策定および実行支援に関与。2013年にユニファを創業。保育施設向けの総合ICT/研修...

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